年末ベスト。ああ、ついに僕がこの言葉を発する日が来るとは。ベスト記事は見るのも書くのも大好きな僕です。
今年は積極的に洋楽を聞いた年でした。って思ってたんですけどいざこうして振り返ってみると結局邦楽インディーが好きなんだなって。とはいえ自分の好きなものを好きだと言う為に始めたブログなので好き勝手書かせてもらいます。
Spincoasterの方でもあんまり空気読まずに書かせてもらいました。
→Best 5 Tracks of 2017 by Kota Fujii
10位 VIDEOTAPEMUSIC – 『On The Air』
異国情緒を感じる音楽が好きになったのが今年後半で僕の耳に訪れた一番の変化です。そしてそのきっかけになったのがこのVIDEOTAPEMUSIC『On The Air』
アラビアン、エキゾチック、チル、チャイナ、トロピカル、昭和。世界中を旅しているかのような錯覚に陥るほど濃密な世界観はタイトルの文字通り、フィールドサンプリングを行って空気中(On The Air)に漂うその土地土地の空気を採集するという手法によるもの。
こういう音楽を来年はもっとディグりたい。
→VIDEOTAPEMUSIC – 『On The Air』
9位 シャムキャッツ – 『Friends Again』
シャムキャッツの新境地、『Friends Again』
今までの若々しくヤンチャな印象を見事に裏切り、少し大人になったシャムキャッツの姿を見せてくれた本作。晴れた日のドライブのお供はもっぱらこいつでした。
Gt.菅原がボーカルを取る3曲もいい感じだし、歌詞にメロディにと夏目のポップセンスが見事に炸裂した『花草』『Travel Agency』『Coyote』あたりの楽曲がたまりません。
8位 Queen of the Stone Age – 『VILLAINS』
マーク・ロンソンをプロデューサーに据えて作られた今作。QOTSAの重々しいロックサウンドとマーク・ロンソンのポップさダンサブルさが化学反応を起こして完成した毒ロックとでも呼ぶべき、踊れるハードロック。カッケェんだこれがマジで。
ポップスへの移行という世界的な潮流の象徴的な一枚。
→Queen of the Stone Age – 『VILLAINS』
7位 Okada Takuro – 『ノスタルジア』
元森は生きているの岡田拓郎によるソロ初アルバム。
和製AORとでも呼ぶような、サウンドに重点を置いて作られた今作は、タイトルの通りどこかノスタルジックな雰囲気を讃えつつ、ポップスとしてのツボをきっちり抑えたアルバム。耳あたりがなんとも心地よく、気付けば延々リピートしているような作品でした。
ありそうでなかったラインをぴったり突いてきていて、一曲目からぐぅと唸るような超良アルバムです。
6位 The xx – 『I See You』
これまでの陰鬱でミニマルな印象を完全に吹き飛ばし、すっかりスタジアム級のアーティストとなったThe xx。
超自然的というか、今までの彼らのスタイルはそのままにポップさを取り込み、彼らなりに昇華させた3rdアルバム。彼らの音楽の一つの完成形とでもいうべき完成度は今年を象徴するに相応しい1枚です。
5位 ねごと – 『SOAK』
前作『ETERNALBEAT』と迷ったのですが、個人的には10ヶ月の期間をかけてより洗練されたエレクトリカルミュージックを聞かせてくれた『SOAK』がランクイン。
直近2作では『BOOM BOOM SATELLITES』中野雅之と『ROVO』益子樹をプロデューサーに据え、これまでの彼女達のイメージを完全に刷新するようなエレクトロビートへの転換を図っているのだが、それが抜群にハマっててかっこいい。正直舐めていたのだが見事に裏切ってくれた。
特に今作『SOAK』はそのタイトル通り、Vo.蒼山の透明感のある歌声が、タイトなエレクトロビートに乗って僕らの意識に浸透していくような感じもあって、どハマりしてしまった。
まだ世間の評価が追いついていない気がしていて、もっと色んな人に聞いてほしいという祈りも込めて5位ランクイン。
4位 St.Vincent – 『MASSEDUCTION』
BeckやQueen of the Stone Age、Weezerらが示したポップミュージックへの傾倒を一番強く感じたのがSt.Vincentでした。
狂気とポップネスと情熱とが混在した本作は超エモーショナルで、稀代のスターである彼女の剥き出しになった感性・感情がヒリヒリと伝わる怪作。
そして来年以降の世界的なムーブメントを牽引していくであろうこのアルバム、聞く時にある種の緊張感を持って聞かなければならないような濃密な音楽性は流石です。
3位 欅坂46 – 『真っ白なものは汚したくなる』
僕が2017年を語る上で彼女たちとの出会いを避けては通れません。
時に可愛らしく、時に力強く、時にポップに、時にクールに。楽曲によって様々な表情を見せる彼女たちの楽曲は完全に僕のツボで、一発でどハマりしました。
まだ長濱ねるさんの写真集を買ってないので一刻も早く買いたいです。
2位 台風クラブ – 『初期の台風クラブ』
純粋に今年一番聞いたであろうアルバム。
横揺れ系の音楽が浸透しつつある昨今のシーンにおいて、骨太でグルーヴィーなロックを鳴らす事がこんなにもかっこいいのかと再認識させてくれた抜群の作品。シンプルにかっこいい。売れて欲しいけど売れなさそうな匂いがすごい。
1位 PUNPEE – 『MODERN TIMES』
今年の日本の音楽シーンの2大トピックは「オザケンの帰還」とPUNPEEの1stアルバムだと思ってます。
アルバムという制作形態にこだわり抜き、一本のロードムービーのような重厚な世界観を纏ったこの1stアルバムは、ヒップホップが飽和しつつある日本の音楽シーンに打ち立てられた金字塔。その飄々とのらりくらりとした態度とは裏腹に彼自身の奥底にある情熱や使命感にはシビれました。
国内におけるヒップホップの、来年以降の方向性を示した怪作が今年のベストです。
あとがき
トラックで言えばMONDO GROSSO『ラビリンス』やオザケン『流動体について』『フクロウの声が聞こえる』、ミツメ『エスパー』、柴田聡子『後悔』、Pale Waves『Television Romance』あたりが超お気に入りです。
来年は20枚でかけるくらいアルバム聞くぞ〜〜