欅坂46『真っ白なものは汚したくなる』にどハマりしている話

いい音楽

このアルバムがリリースされてからというもの、欅坂46を聞かなかった日は無かったと言っても過言ではない程どっぷりとハマってしまった。

全40曲というベスト盤も真っ青な圧倒的ボリューム感。そのボリュームに比例して、一括りにアイドルソングと語ることが全く不可能なほどの音楽性の拡がりを見せている。(作曲者が曲によって違うのだから当たり前の話なのだが)

アイドルなのにアイドルっぽくないその歪な音楽性に魅せられ、メンバーの名前を一人も知らない(これマジ)のに欅坂がアツいと触れ回る厄介な欅ヲタクが完成してしまったのでお付き合い願いたい。

センターとかソロ曲とかそういう欅坂としての背景なんて一切無視に、自分の好きな曲だけレビューしていくんで世の音楽好きは刮目して読んでください。

サイレントマジョリティー

欅坂46のデビュー曲にしてTHE・欅坂なアンセム。アイドルソングらしからぬメッセージ性・思想の強い楽曲で、欅坂ってこういうアイドルグループっていう印象が強い人もいるんではなかろうか。

「Noと言わなきゃ伝わらない」とか「先ゆく人が振り返り列を乱すなと」とか現代社会へのアンチテーゼをロックンローラーじゃなくてアイドルが歌う時代が来たのである。尖りまくった歌詞にばっかり耳がいくけど、その実サウンドが最高にクール。ギラッギラのアコギがかっこいいので弾き語りでやっても映えそう。

とにかくアルバム一発目この曲から始まって、ど頭で心を鷲掴みにされる最高のキラーチューン。

 

手を繋いで帰ろうか

王道アイドルソングかと思いきやAメロの歌メロが結構トリッキー。かと思いきやサビが最高の王道アイドルソング。

サイレントマジョリティーの直後にこの曲を持ってくるという配曲の妙。初めて聞いた時はまんまと「こういう可愛い曲は普通に可愛いやんけ」と聞き入ってしまい、既にその時点で秋元康の掌の上でワルツを踊っていた事は誰の目にも明らかである。

とにかく好き!ラブラブ!って感じがストレートな最高のポップチューン。

 

キミガイナイ

秋元は完全にリスナーを弄びに来ている。ここまでの3曲でコロコロと変わる音楽性に振り回された僕らの理性は決壊し、ここから先「欅坂=最高」という固定概念を覆す事は叶わなくなる。

緻密に言葉の敷き詰められたサビの歌メロが超印象的。ところが最高なのはどう考えてもCメロ。Cメロ→サビの流れには脱帽。

 

世界には愛しかない

もうやめてくれ。僕らリスナーを音楽性の振れ幅という暴力でタコ殴りにする事4曲目。アイドルソングはここまで来ていた。

サンボマスターのような安直なタイトルに朗読のようなAメロ、そして壮大なサビ。舞台芸術のような展開劇に圧倒され続け気が付けば、清々しい映画を見終わったような心地良い聴後感(造語)に包まれている。

ここまでの一連の流れで僕がこのアルバムに関して記事を書く事は決定していた。

 

ひらがなけやき

一気に欅坂46のポップネスが爆発しているのがこの曲。今までのシンセ多用のバリバリ現代サウンドとは打って変わって、ドラムやギターが生音に近いサウンドで織り込まれているのがまた良い。

そして何と言ってもサビの爆発的な良さである。他の曲よりもハモリが強調されていてそこもまた人間的な響がして良い。

イントロのフレーズも、歌メロも、コード進行ですらも、楽曲全体に跨る「王道感」が素晴らしい名曲。

 

制服と太陽

構成がため息をつきたくなるほど完璧。

ピアノをメインにゆったりと運ばれていくAメロから突然視界が開けるようにサビがやってくるのだが、このサビの後の展開が素晴らしい。

サビの2段構えとでも呼ぼうか、前半部分と後半部分が別れたボリューミーなサビ。1番と2番で全く違う印象のAメロ、大サビのサンセム感、どれを取っても文句なし。

サビの前半部分のちょっと早口になるところめっちゃ好き。

 

僕たちは付き合っている

この曲好きだっていうと絶対きもいって言われるからあんまり人前でかけたりしないようにしてるけどこれはマジで最高の名曲。とにかくド直球のサビが良い。

僕たちは付き合っていると叫んでも良い

今日までずっと言えなかったけど

隠したってすぐにバレるから恋なんだ

アイドルソングってこうでなくちゃ。

 

W-KEYAKIZAKAの詩

至高のサビと圧倒的なアンセム感を兼ね備えた欅坂の秘密兵器。

歌詞を聞いていくと「仲間」とか「一人じゃないよ」といったフレーズや、「坂」という言葉が繰り返し使われていることから、欅坂46というユニットの事を歌った曲なんじゃないだろうか。

そう考えると彼女たちにとってとても大切な曲なのだろうと思う。合唱曲っぽい要素もあるし、皆で歌っている感じがグッド。

僕はこういう行進曲っぽい曲に滅法弱い。

 

少女には戻れない

まじJamiroquai。イントロのピアノのフレーズがもろ『Virsal Insanity』

 曲としてはかっこいいけど、”イイ”かと聞かれると別にそれほどではない。僕個人としては「欅坂、こんなのもイケますけど?」というリスナーへの宣戦布告のような曲だと思っている。考え過ぎかもしれないけど。

このアルバムの中ですらアイドルという枠組みをグイグイ拡げていってるので、こういうかっこいいのももっとやってほしい。

 

100年待てば

多分ソロ曲。誰だかは知らないけど声がめっちゃ良い。上手いっていうよりは”イイ”。

ホーンが入ってたり、シンセのフレーズとかも超ポップ。音がオレンジ色してる感じがものすごく良い。この子がもしこの曲の雰囲気そのままの子ならアイドルとして最高だと思う。

 

沈黙した恋人よ

ヤバ良い曲。本当にただの良い曲。

スッキリした構成も完璧だし、Bメロ→サビの盛り上がり、疾走感、切なさ、歌声がとにかく良い。サビがただでさえ完璧なのにCメロ→大サビの流れはそれを超えてくるのが未だに信じられない。

とにかく曲が良すぎるので一旦聞いてほしい。

 

青空が違う

遠距離恋愛の曲。

この曲好きっていうのも結構他人からするとキモいって思われるかもしれないけど良いものは良いのだから仕方ない。

遠くで暮らさなきゃいけないほど 夢はそんなに大事ですか?

切ねえ。

 

渋谷川

この曲何が言いたいのかわかんないけど良い曲なんだよなぁ。

まさかの冨樫もこの曲が好きだって表明して話題になった曲の内の一つ。

アイドルソングっぽくないし、歌詞もそんな良い訳じゃないのに一回聞くと耳から離れない。とにかく良いから一回聞いてほしい。でこの曲の良さを言語化してほしい。

 

夏の花は向日葵だけじゃない

多分ソロ曲。歌が上手すぎてビビる。しかも歌が上手いだけじゃなくて声がめちゃくちゃ良い。

感情の満ち引きみたいなのが歌で表現しきれているし、ソロ曲だけあって彼女の声質にものすごくマッチした曲だと思う。

サビの声が揺れるみたいな部分が完璧にかっこよすぎて鳥肌もん。本当に上手いから本当に聞いてほしい。

 

危なっかしい計画

最高の一語に尽きる。

このアルバムどころか今年の夏で一番のサマーチューン。文句なしの「真夏のサマー・チューン賞’2017」受賞作。

Aメロとかいかにも頭悪そうなロックって感じで超ダサいのに、聞いてる内にそこもどんどん最高になってくるから不思議。

この夏で何回聞いたかわかりゃしないがサビとCメロがとにかく抜群に秀逸で、ライブでも絶対盛り上がるし、歌詞も歌メロもとにかく弾けんばかりの夏感が眩しい。

 

おわりに

資金のあるところに良い楽曲が集まるというのは現代のアイドル界隈にとっては当たり前のことではあるのだが、それを踏まえた上で『欅坂46』が魅力的なユニットであるのは間違いない。それどころかアイドル界の地平を切り拓く新時代のアイドルユニットだと思ってすらいる。

40曲、3時間強と一発で聴ききるには重すぎるボリュームではあるがゆっくり時間をかけてでも良いからとにかく聞いてほしい。

この記事を書いてる内に『欅坂46』に関する様々なことを学んでしまい、無事一人の欅坂ヲタクが誕生してしまった。今度から毎週『欅って、書けない?』見ますね。


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