Toro y Moi『Outer Peace』はアルバムよりも楽曲で聴きたいね

Toro y Moiの新譜『Outer Peace』からは、「安易なエレクトロファンク」という印象を受ける。

僕は批評家でもないし英語ネイティブでもないので、余程耳につく歌詞でもなければ、洋楽を聴くときはその表層的なサウンドを素直に受け取るようにしているのだけれども、それにしたってこのアルバムはちょっと時流のポップスに寄せ過ぎているきらいが無かろうか。

先行公開された『Ordinary Pleasure』『Freelance』がダンサブル全振りの最高ファンクだったのを見ても、今作における彼のフォーカスがファンクに寄っているというのは明らかなのだけれども、それにしてはこのアルバムはどうにも不安定だ。何故ここで?というタイミングでめちゃめちゃウェットなR&Bが挟み込まれるし、全体的にファンクミュージックとしてのコンセプトに欠けるという印象。

そういう意味では『What For?』や『Boo Boo』の方がコンセプチュアルだし、同じエレクトロファンクというステージで語るならば、ゲーム音楽やスペース感にフィーチャーした昨年のLouis Cole『Time』の方がよっぽど優れたアルバムだという感想を抱かざるを得ない。

ただし、楽曲を単体で聴くならば、それは全く別の話だ。

前述の2曲が先行公開された時、僕の胸は踊りに踊った。何てったってあまりにもダンサブルだ。こんなに踊りたくなるような曲、なかなか聴けたものではない。最先端のサウンドというよりかは、どこか懐かしさのあるシンセサウンド。お得意のギターをほとんど排除し、ドラムとベースのタイトなフレーズが冴え渡る構成。

『Ordinary Pleasure』はパーカッションとうねるようなベースのフレーズがどこまでもファンキーだし、『Fleerance』のミニマルでフラットな構成にはダンスミュージックのマナーがあって実に踊れる。80年代ファンクの風合いの残ったToro y Moi風ファンクミュージック。彼にはこんな引き出しもあったのかと、アルバムの本リリースが物凄く楽しみに感じたのを覚えている。

『Fading』や『Who I Am』あたりも、耳あたりよくシンプルに踊れるファンクという点では極上のトラックだし、そういう意味では良曲ぞろいのアルバムと言えるだろう。

アルバムで聴くとどうしてもコンセプトの欠落や、軸のブレみたいなものが気になってしまうけれども、トラック単位では極上。特に先行リリースの2曲なんかは2019年のベストトラックに名を連ねてもおかしくないくらいの良曲だ、というのが僕の感想である。

 








Toro y Moi『Outer Peace』は楽曲で聴こう

珍しくディスってしまったけど曲単位で聴くならとても良いというのは間違いない。

それより見てよこのToro y Moi。ナード感というかのび太感というか、見てくれにも曲にもいなたさがたっぷり残ってて最高じゃない?僕はこの頃の彼が大好きだよ。

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