「美人なのかブスなのかわからない」という不名誉な賛辞を、彼女以上に受けたアーティストもいないだろう。僕自身この難題に対する答えを持ち合わせていない。
5/17に発売される彼女の4thアルバム『愛の休日』から『後悔』のPVが公開されたのだが、これがまたここ数日の陽気と青空にぴったりの堪らない仕上がりだったので感想を。
アルバム『愛の休日』の感想もしたためましたので、よろしければ。あなたはあなたという曲が最高です。
ライブにも行きましたので、よろしければ。
感想
僕が初めて柴田聡子を聞いたのは『カープファンの子』である、それもYoutubeに上がっているこのバージョン。
か〜〜あ〜〜ぷ〜〜、とたっぷりと焦らすように歌い出すこの曲、一瞬スピッツの大名曲『こいのうた』の歌い出しとも似ていてワクワクを禁じえないのだが実際の楽曲はとんだサイコメンヘラ野郎である。
カープファンのあの子は可愛いね いつの間にかバンド組んで
ギター弾けないからボーカルで 相変わらず可愛いね
あの子に子供ができる前に 私に子供ができる前に
もっともっと酷いことを考えておかなくちゃ
という、なんとも怨嗟に満ち満ちたこのフレーズをひたすら繰り返すこの曲。しかもこの動画のライブ版はギターも無しのアカペラバージョンであり、そのライブパフォーマンスは実に狂気じみている。なのだがこの曲を聞いてからというもの、頭にこびりついてしまって離れない。以来、柴田聡子の楽曲の持つミステリアス雰囲気とリアルな人間味に首ったけである。
さて、今回の記事は先日公開された『後悔』という曲に関しての記事であるが、まずは何と言ってもリンクを貼ったこの曲のPVである。車の後部座席から顔を出し、風に当たりながら歌う彼女をたっぷりと3分弱も堪能できるこのPVは、彼女が美人なのかブスなのかをジャッジする機会を僕らに与えてくれる。昔から彼女のPVはルックス推しのものが多い。先日メジャーデビューが発表された『どついたるねん』の楽曲においても、そのビジュアルを買われてか、数曲のPVに出演している。ただしそれら全てPVに目を通したとしても彼女が美人なのかどうかの判断はつかない。実に奇っ怪である。
散々ルックスについて語ってしまったが、彼女のタレント性を紹介したいのではない。素晴らしいのはその楽曲である!!!はね回るポップなベースラインとシンプルなドラムは何とも軽妙で小気味よく、ピロピロリと鳴るシンセは春の訪れを喜び舞う蝶のように晴れやかだ。音数は少ないが、コーラスはたっぷり潤沢に使われていて、やはり春の青空のように朗らかで美しい。
だがやはり何が一番って、声が良い。それが顕著に現れるのがBメロ(Bメロなのかあれは?)である。スッと空に抜けるような高音は嫌味なく耳に刺さって心地よい。サビへの滑り込み方も実に見事だし、2番サビから大サビ(大サビなのかあれは?)への展開なんて鳥肌ものである。女性的で柔らかい声を持つ彼女の持ち味がふんだんに盛り込まれた最高のポップ・チューンである。
おわりに
ようやく暖かくなってきて、GWを控えた週末に最高のプレゼントをいただいた気分である。
5/17に発売されるアルバム『愛の休日』への期待も高まる。
上にもありますが、アルバムのレビューです。最高だったので、よろしければ。