日々のこと、2021年10月26日

日々のこと

近頃はサラダに凝っている。サラダといっても葉っぱを千切って、油・酢・塩だけで食べるごくシンプルなサラダで、シンプルが故に奥の深いこの料理に首っ丈なのだ。元はと言えば『田園の快楽』の著者・玉村豊男氏がdancyuで紹介していたサラダの作り方に心酔したのがきっかけで、油はオリーブオイル・サラダ油・ごま油、酢は米酢・黒酢・ワインビネガー・バルサミコ・柑橘果汁を使って、その組み合わせをひたすらに試している。葉っぱにしたって、レタスとサニーレタスとロメインレタスでは、食感も味わいも何もかもが違う。苦味の強さ、香りの強さ、葉っぱの形やみずみずしさ。微妙な差異だが、それによって合う調味料も変わってくるのが面白い。

このサラダの基礎を極めたら、次は具材を入れた贅沢なサラダに挑戦したいと思っている。旬の野菜を使ったり、豆類を駆使したり、肉や魚を使ったゴージャスなものまで。野菜は生で使うのか、焼くのか、はたまた漬けて使うのか。温泉卵やチーズなどトッピングで遊ぶのも楽しいし、スパイスでエキゾチックなサラダにするのも良いな。夢は膨らむばかりだが、サラダ歴数週間の僕には、まだまだトマトを入れるのが関の山だ。

さて、そんな僕の日々のことです。

日々のこと、2021年10月26日

19日火曜日、『おかえりモネ』の最終回が近いこともあり、あさイチのゲストが清原果耶と蒔田彩珠のW出演という神回。近頃は蒔田彩珠にお熱なので食い入るように視聴。なんと言うか、替えの効かないお顔をされてますよね、彼女。清原果耶は最近京王線の広告にも出ているので、電車に乗るとそのご尊顔を拝することができる。「透明感を楽しむんすよ」と彼女の鑑賞方法を教えてくれた後輩には感謝しなければならないな。10月いっぱいで最終回を迎える『おかえりモネ』は、全ての歯車がきちんと噛み合うようになってきて安心して観ていられる。僕はハッピーエンド至上主義なので、大抵の場合において大団円が約束されているNHKの創作物に寄せる信頼は厚い。今週の菅波先生、最高でしたね。坂口健太郎には不器用なプロポーズがよく似合う。あと『婚姻届に判を捺しただけですが』の坂口健太郎は限りなく菅波先生に近い。

夜、テレビをつけると、『オモウマい店』という番組がやっていた。ヒューマングルメンタリーと題されたこの番組、初めて観たのだけれども、とにかく人情味に溢れていて面白い。チャーハンで利益を放棄することに雁字搦めになってしまった町中華。タクシーの運ちゃんと昼飯を食べるディレクター。朝昼晩の賄いを与え、ロケ班にとにかくご飯を食べさせたい蕎麦屋のご夫婦。客をあまりにも生活感あふれる自宅の二階に通してあれこれとお節介を焼いてしまうお母さん。極め付けは取材に来たADを強引に弟子入りさせ、修行を初めてしまう蕎麦屋の店主だ。

なし崩し的に弟子にされ、泊まってけと言われて泊まってしまう谷口AD。師匠のタバコに火を付け、弟子番号の「36番」と呼ばれ、夜通しの食材調達にも駆り出される。ここで光るのが谷口ADの蕎麦打ちの才能。5日間でメキメキと腕を上げた彼が切る蕎麦は、明らかに美味しそうで、完全に素人の域を脱している。頭角を表した谷口ADとの別れを惜しむ師匠の心持ちたるや正に人間そのもので、その瞬間と才能を確かに映し出した中京テレビの嗅覚に、ただならぬものを感じている。

20日水曜日、仕事で特に何もしていない。先日買ったスパイスで、夕飯にチキンカレーを作る。月曜日にも作ったのだけれども、その時の反省を活かして鶏肉にしっかり下味をつけたのでまあまあな出来栄え。更なる飛躍を目指してYoutubeを漁っていると、興味深い動画に出くわした。元々イタリアンのシェフであるファビオ氏の動画なのだけれども、彼のレシピで驚いたのはホールスパイスの使い方だ。曰く、テンパリングのタイミングはいつでもいい。要するに、ベースのカレーが出来上がってから、別の鍋でスパイスをテンパリングし、そのオイルをカレーに加えることで香りを追加しても良いのだそうだ。これがありなのであれば、ベースのカレーを大量に作り、そこに加えるオイルの組み合わせを変えることで無限にスパイスの可能性が模索できるではないか。今の僕の嗅覚と経験値では、各スパイスが最終的にどう効いてくるのかがイマイチ理解できていない。この追スパイス実験を無数に繰り返すことでスパイスへの解像度を高めていきたいなと思っている。

21日木曜日、ayU tokiOプロデュースの太田貴子『Voice of Angel』を聴く。Magic, Drums & Love、シャムキャッツ・大塚智之、ミツメ・nakayaan らインディー精鋭勢が客演として参加し、ほとんどがセルフカバーで埋められたこのアルバム。クリィミーマミのことはあまりよく知らないのだけれども、彼女の甘く軽やかな歌声は今の時代にリリースされても遜色ないポップスばかりでとても良い。書き下ろしは『大・恋・愛β』と『魔法β』の2曲。どちらもayU tokiO色全開で大好きだ。彼はほんと何をさせても良いな。12月のわがつまの初単独、バンドマスターとして彼の名前があったものだから安心してチケットを買ってしまったよ。

夜は清澄白河『Bella Napoli』でピザ。こんなブログを書いているくらいなのでピザは大好きなのだけれども、ピザって「ピザ食うぞ!」という気持ちにならないとなかなか食べないよな。普通のイタリアンにピザはないし、中途半端なピザは食べたくない。それに近場のピザ屋は結構行き尽くした感がある。『ダイーサ』『聖林館』『マッシモッタヴィオ』『ダ・オッジ』。そんなおり、清澄にビブグルマンのピザ屋があると聞いて駆けつけたのがここだ。ここのピザは生地のモチモチ具合と香ばしさが素晴らしい。1枚目にマルゲリータを、2枚目には写真のお肉モリモリのピザを頼んだ。

ピザを食べる時は必ず、シャムキャッツ・夏目くんのこの文章を思い出すようにしています。「ピザが死んでゆく」という感覚が僕には新しくて、熱々のピザが冷めてゆくのが耐えられない人間になった。

シャムキャッツ夏目知幸が教える、ピザの本当の食べ方 - QJWeb クイック・ジャパン ウェブ
窯焼きイタリアンピッツァ店で5年間アルバイトをしていた、シャムキャッツの夏目知幸。「ピザは洒落た食べ物ではない」と言い切る彼が、ピザの本来の楽しみ方を解説する。

22日金曜日、あまりの寒さに遂にこたつを出す。家の外が寒いのは耐えられるけど、家の中が寒いのは本当しんどいよな。モスクワもニューヨークも、冬の冷え込みは北海道の一番寒いエリアと変わらないけれども、室内を寒いと思ったことは一度もなかった。あれらの国ではセントラルヒーティングが整備されていたので、24時間常に室内は温かい。別に自宅のエアコンを常に付けておくことでその環境は手に入るのだけれども、乾燥と電気代がえげつないのでようせんわ(関西弁二大好きなフレーズです。もう一つは「気ぃ悪いわ」)。セントラルヒーティングでは確かダクトを通じてお湯をマンション中にずっと張り巡らせているので、乾燥がそこまで気にならない。モスクワにいた頃も東京で暮らす今も、屋外で体感する冬の寒さにはほとんど差がないので、冬の過ごしやすさはモスクワの方が上かもしれないなとよく思う。モスクワにこたつは無いけどな。その一点でのみ日本の冬が優っている。

タイムフリーで『マヂカルラブリーのANN0』を聴く。この日のゲストはピース又吉。野田クリスタルが個人的に親交を持つ数少ない先輩芸人の一人らしい。テレビ千鳥以外で動いてる又吉を観るのが久しかったので気が付かなかったのだが、僕は彼の話し方がものすごく好きだ。トーン低めでゆっくりと聞きやすく、その中身は思慮深く論理的。このトーンからふと放たれるユーモアには、裏切りを伴った面白さが宿るのだよな。純文学を巡る他愛無い言葉遊びの数々。純小西だのではない派だのHey!文学だの、ひらひらと翻るように展開されていく謎の純文学論。マヂラブやジャルジャルを純文学だと断言し、野田のバイク通勤の日記に純文学を見出し、終いには占いを逆手にとった壮大なプロットを提示して見せる。トークから、彼が野田のことをすごくアクチュアルに評価しているように感じられたのがすごく良かった。又吉みたいな人間になりたいな。サッカーのプレイスタイル以外は。

23日土曜日、下北に昼飯を食べに行ったらどこも鬼のように混んでいて辟易。たまたまデリバリーで頼んだことのあるハンバーガー屋『BURGERS TOKYO』が空いていたのでランチ。ここのハンバーガーはパティが肉肉しくて旨いし、ポテトがクリスピーなのでとても気に入っている。僕はサクサクのポテトが大好きで、もっと言えばポテトの衣に味がついているタイプのものが一番好きだ。一時期(7年くらい前)まではバーガーキングのポテトの衣がザクザクで味も濃くて最高だったのに、いつの間にかプレーンな味付けになってしまっていて愕然としたのをよく覚えている。カムバック・化調たっぷりザクザクポテト。

夕方からは友人がコーチを務めるアイスホッケーチームの試合があるというので観戦。アイスホッケーの試合って初めて観たのだけれども、スピード感がとんでもない。巨体とスピードの掛け算でとてつもないモメンタムを誇る彼らは、壁にぶつかるととんでもない音がして、そんな彼らが弾くパックの速度たるや、時折目で追い切れないほどだ。コートにはぐるっと透明なカバーが立っているのだけれども、僕が観戦した席はパックが飛んでくるとギリギリ顔面に直撃する高さの席で、パックを見失うたびに自分に飛んでくるのではないかとヒヤヒヤしたものだ。

プレイヤー同士の接触が当たり前のアイスホッケーではファールもままあって(何がファールなのかは分からなかった)、重いファールを犯したプレイヤーは1〜2分、監獄のような場所に軟禁されてしまう。悪いことをすれば実刑が下るという罪と罰がここまで原初的なスタイルで存在することにびっくりしてしまった。

24日日曜日、学芸大学『VOVO』でカレー。この日は気合を入れてビーフとバターチキンのあいがけをチョイス。ここのビーフは美味しいのだけれども結構辛い。真っ黒に煮込まれた牛肉の柔らかさと旨味が爆裂に美味しいのだけれども、必ずと言っていいほどお腹が痛くなるので食べるのには覚悟がいる。先日行った『ムルギー』同様、回復アイテムであるレーズンをどのタイミングで使うかが大事だ。

帰り路、天気が良いので自宅まで1時間弱の道のりを歩きながら、聴きそびれていたYogee New Waves『WINDORGAN』を聴く。リードトラック『SISSOU』からはシンプルなギターロックの気配を感じていたのだけれども、蓋を開けてみればカントリーやAORの入り混じったアルバムで、すごく耳障りが良い。回復に向かう、けれども少なからず形を変えてしまったこの世界に対して、風のように飄々と、さらりと自分のスタンスを表明するようなこの音楽性が実にYogeeだなと感じて嬉しくなった。

だけどじゃあね ぼくの道はこっちさ

さらば ADIOS GOOD BYE 再見 またね

思えばYogeeはずっとそうだったよな。世界への愛を露に、少しだけ不器用な、けれども心地よい形で表現し続ける彼らには好感ばかりだ。

帰り路の細い路地を曲がった先に、道の真ん中に行儀良く座り込んだ猫がいて思わず声が出てしまった。天気いいもんな。

25日月曜日、特に何もせず仕事だけして過ごす月曜日。夕飯にペンネでアラビアータを作って食べた。近頃は参宮橋『Regalo』のシェフ・小倉さんのYoutubeを観るのにハマっている。家庭用というよりも本格的にシェフを目指す人に向けてのYoutubeで、本格的であればあるほど嬉しい僕のような人間には素晴らしい教養番組だ。トマトソースやパスタの個体差、レードルのフックは切った方がいい、といったシェフ向けの豆知識から、イタリアンという料理体系に対する思想まで、彼の叡智がこれでもかと言うほど詰め込まれていて、これが無料で見られる世界には感謝しかない。この日のアラビアータも彼のレシピで作ってみたが、ちょっとソースを詰めすぎた気がする。精進します。

26日火曜日、我が青春『学校へ行こう!』の復刻最終回。正直な話、あの時代あの年齢だったから面白かったのだろうなと思わざるを得ない企画もあったものの、「未成年の主張」の告白シーンはいつまで経っても色褪せない良さがあるな。むしろ今の方が響いている節すらある。思えば世代ど真ん中、『学校へ行こう!』と共に育った世代だった。東京ラブストーリー、B-RAP HIGH SCHOOL、そして未成年の主張。懐かしがるなと言う方が難しいコンテンツばかりだ。V6の解散に寂しさはあれど、彼らが誰一人欠けることなく完結してくれることには感謝しかない。一国民たる僕には見守る他に術は無い訳だが、ジャニーズカウントダウンを観る理由がまた一つなくなってしまうな。嵐、V6なき今、誰に希望を託せばいいのか。Sexy Zoneですね。わかります。

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