担々麺 × ライム × りんご酢
相変わらずスパイスとフルーツを使わせたならばこの人の右に出るラーメン師はいないだろう。担々麺とライムとりんご酢が一夏限りのカーニバルである。
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感想
先日テレビに出演されたそうで、ここ最近並んでいない日がほとんどない。元々あれだけ美味しいのだから有名になってしまうのも納得、むしろ今よりもっと混んでいてもいいはずである。
さて、以前の記事にも書いたが、僕がここのラーメンで一番好きなのは何を隠そう季節限定メニューである。定番メニューの鶏骨塩や魚鶏塩も個性的で抜群に美味しいラーメンだし、わさびをトッピングしたり、青唐辛子をトッピングしたりと全く飽きがこない。しかしどんなに鶏骨塩の胃袋の日であっても、季節麺の知らせを目にした途端、その好奇心に胃袋を持っていかれるのである。
今回の『桑嶋式 担々麺』通称『クワタン』のお知らせがこちら。林檎だのカルダモンだのととても担々麺の製造工程とは思えない単語が続く。
そして出てくるラーメンがこちら。
↑「担々麺ってなんだったっけ?」を問い直す問題作
たっぷりと盛られたネギともやしにはオリジナルのラー油とアーモンドがかかっており、一般的に担々麺と言われてイメージする肉味噌の姿はどこにもない。その代わりに丼を彩るのは鶏チャーシューやライムに玉ねぎと、僕らの知る担々麺とは大きく出で立ちが違う。パッと見スープが見当たらないが、実は麺の下には鶏がホロホロと崩れるまで煮込んだ鶏白湯スープが潜んでおり、汁無し担々麺に近い仕上がりになっている。
早速ライムをギュギュッと絞り、油そばのようにがっつり混ぜてから一口食べてみる。美味い。
いや美味いのは分かっていた。桑嶋の季節麺が美味しくなかった事など一度も無かった。ラー油たっぷりの外見からは考えられない程、辛さは控えめである。ホロホロの鶏の甘みとラー油とライムの香り、更にはアーモンドの風味も相まってかなりエキゾチックな味わいになっている。更に、途中で備え付けのリンゴ酢を入れる事によってライムの爽やかさとリンゴ酢のさっぱりが重なり、よりフルーツっぽい爽やかな味になってこれがまた美味しい。担々麺かと聞かれるとかなりギリだが担々麺である。
夏場は辛いものが食べたくなるものだが、これはまさに夏場にぴったりのエキゾチック・担々麺である。
スープを飲むとピリッと舌先に痺れる感じがあり、「山椒ですか?」と聞いたら「愛です」との返し。なるほど確かにスピッツもPUFFYも歌っているではないか。
ヤワなハートが痺れる ここちよい針のしげき
理由もないのに輝く それだけが愛のシルシ
愛はいつだってピリっと痺れるものである。
おわりに
ちょうどこの記事を書いているタイミングで、桑嶋のインスタに『冷やしもみじ』の原材料である生山椒が入荷したとの知らせ。『冷やしもみじ』といえば僕が桑嶋で一番最初に食べたラーメンであり、未だにその時の感動が忘れられない程の衝撃を与えた名皿である。
次回の季節麺が『冷やしもみじ』とくれば食べない訳にはいかない。今からリリースが楽しみです。
最後のPUFFYの下り、要らなかったかも。
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