担々麺発祥の地である中国・四川では、担々麺とはいわゆる「汁なし担々麺」のことを指すらしい。僕らがよく目にするラーメンのようにスープたっぷりの担々麺はあくまで日本風担々麺。しかも中国では古来よりレッドブル的な食べられ方をしてきたのだとか。
そんなエナジーフード・担々麺も現代日本においては様々なアレンジが加えられ、ひとえに担々麺といえども、その姿形は多種多様。世は坦々戦国時代であります。今まで僕のベスト担々麺は赤坂『希須林』の担々麺だったのですが、先日それを塗り替えるような素晴らしい担々麺に、地元下北で出会えたのでご紹介です。
下北に新たな担々麺が生まれました。5月の期間限定ではありますが是非。
あと中華といえば鉄鍋のジャンですよね
ベスト担々麺エヴァー
僕の理想の担々麺とはズバリ、「細麺」「胡麻味(ごまみ)」「スープあり」の3要素に集約されます。
「細麺」とは、読んで字のごとく細麺であること。太麺・ちぢれ麺のもちもちした食感も捨てがたいですが、担々麺の辛さと熱さに最も適しているのは絶対に細麺です。
「スープあり」とは、読んで字のごとくスープがあること。汁なし担々麺ではなくスープのある担々麺が大好きなんです。レンゲにスープと麺を少量ずつ乗せたミニ担々麺を作る食べ方が好きなのでスープはマストです。
「胡麻味」とは、読んで字のごとく胡麻の味がすること。担々麺の辛さと同じくらい胡麻の甘みがある担々麺が大好きです。辛い食べ物は大好きですが、辛いだけでは美味しくない。辛さと甘さをアメとムチのように絶妙に使い分ける担々麺には何人たりとも敵わないでしょう。
以上の3つのポイントを踏まえた、担々麺が僕のタイプの担々麺です。決して珍しくはない条件なのですが、このタイプの担々麺を出してるのって、ちょっと良い感じの中華料理屋さんが多いんですよね。ラーメン感覚でフラッと担々麺を食べられるお店で、なおかつこのグッドオールド担々麺を出してるお店にあまり出会えなかったんです。
長々と前置きを語りすぎた気がしますが、いよいよ担々麺の登場でございます。
添えられた錦糸卵がステレオタイプな雰囲気を醸し出していて最高です。
麺は細麺、スープはサラサラで、胡麻の甘さと唐辛子の辛さが絶妙なバランス。その味わいは最早『もしもボックス』で僕の理想を忠実に再現したのではないかと疑うような完璧なグッドオールド担々麺です。あまりの美味しさにスープを飲み干すという犬っぷり。
唯一残念な点を述べるとすれば、メニューに『金威特製 激辛担々麺』と書いてある点。激辛は言い過ぎで、こんなにも調和の取れたちょうど良い辛さがあるだろうかってくらいのちょうど良さ。折角めちゃくちゃ美味しいのに、この激辛の一言でお客さんを遠ざけてしまっている気がします。実際はこの上なくちょうど良いです。
おわりに
他にも「酔っ払い海老」や「よだれ鷄」「海老焼売」など食べましたがどれも美味しい。
下北の中華といえば、『新雪園』『新台北』の2強だとばかり思っておりましたが、『金威』あると思います。