サニーデイ・サービス『桜 super love』という大名曲について

フジロックで泣く準備はできている。それもワンワンと人目も気にせずボロボロと涙を流すような泣き方である。特に今回『DANCE TO YOU』からわざわざシングルカットで発売される大名曲『桜 super love』は、その楽曲もさることながらジャケット・PVの時点で僕の琴線を圧倒的なマグニチュードで震わせてくる。



サニーデイ・サービス『桜 super love』

ジャケットは岡崎京子(!!)、PVは巨匠・山口保幸氏という磐石な布陣。何はともあれPVを見てほしい。

ジャケットのイラストをそのまま擬人化したかのようなアイコニックなこの女性。ベティちゃんを彷彿とさせるそのアメリカン・キュート・ガール・ライクなルックスは、サムネイルの一瞬で僕らの心を奪ったかと思いきや、PVが始まった瞬間に誰もが息を呑み、数秒とまたずに僕らにこのPVの意図を掴ませる。

きみがいないことは きみがいることだなぁ

何と言ってもこのフレーズである。この楽曲とPVの全てはこのフレーズに集約されているし、そもそもこんなフレーズが浮かんだ時点でこの曲が名曲となることを約束しているような、そんな秀逸なフレーズである。

YoutubeのPVのコメント欄にこれまた漢泣かせなコメントがある。これを丸コピする無粋を許してほしい。

「きみがいないことは きみがいることだなあ」というのはドラムの丸山さんに対しての歌詞だそうです。 丸山さんは体調不良でほとんどレコーディングに参加できず、この曲のドラムも曽我部さんが叩いていますが「俺が叩いてるってことは丸山が叩いてるってことだから」と言っていました。

この曲が収録されている『Dance to you』の制作期間中に、ドラムの丸山が体調不良で制作から離脱したのは有名な話だが、こんな裏話を聞かされてしまってはより一層このフレーズが感動的な響きを持つ。

何よりも異様なのはこの曲のムードである。活動休止前のサニーデイサービスにも、曽我部恵一BAND時代にも、曽我部恵一ソロの時にもこんな曲は無かった。曽我部恵一の日常というか、あくまで生活に寄り添うような「優しさ」とか「許し」が曽我部恵一らしさだったが、この曲から感じるのは「染み付いた悲しさ」だったり「それに向き合う強さ」みたいなものだったり。あくまで優しいメロディではあるが、その中で感情を剥き出しにしているような、そんな印象。

そしてこれらの話を全て踏まえてジャケットのイラストである。岡崎京子といえば言わずと知れた『ヘルタースケルター』の作者であるが、漫画家として人気絶頂の最中、交通事故で重傷を負い、その後遺症でそれ以降の作家活動を絶たれている。

この楽曲・PVの持つ柔らかい悲しさとも言えるムードと、岡崎京子という作家の親和性は誰の目にも明らかだろう。岡崎京子といえば我らがオザケンとも交友があることで知られているし、そういう点でもサニーデイサービスというアーティストにぴったりなイラストレイターだと思う。

 

桜 super loveで泣きたい

この曲がとんでもない名曲であることは「アルバムが出た後にシングルカットされている」というエピソードからも明らかですね。

ジャケットもPVも楽曲も全てが最高なこの曲、ぜひともグリーンで聞いて泣きわめきたい。

 

 

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