日々のこと、2018年8月25日

日々のこと

息をするように文章が書きたい。僕にとってはレビューはひねり出すもので、それはなくなりかけの歯磨き粉のチューブから、なけなしの一滴を絞り出すような作業だ。そうじゃなくてもうスイスイ〜っと、人魚が水中を泳ぎ回るような自由度で文章が書きたい。となれば日記だろう。思えば青春ゾンビの記事でも一番楽しみであったのは「最近のこと」と題された彼自身の日常を綴った日記記事だった。先日ついに僕の愛が青春ゾンビのヒコさんに届いたようで、Twitterでフォローをいただいたことだし、フルリスペクトでマックスオマージュな感じの日記記事を書き始めちゃおうではないか。不定期更新、文字数は膨大、誰の得にもきっとならないであろう文章ではあるが、きっとそれでも面白い。そんな日記を書きたいと思う。

日々のこと

先日のことだ。クミン塩なるものの存在を耳にし、早速家にあるクミンをクミンパウダーにすべく、100円ショップですり鉢とすりこぎ棒を買いに行く。ところが驚くべきことにその店舗では、すりこぎ棒だけが単体で売られていて、すり鉢が売られていない。「いやどこの誰がすりこぎ棒だけ必要やねん」と心の中のAマッソ加納がツッコミを入れるのがはっきりと聞こえた訳だが、そもそもすり鉢はすりこぎ棒とセットであるべきではないのか。どちらが欠けていても彼らは彼らの本領を発揮し得ない。誰が紫の方だけしかいないアイスクライマーを使いこなせるものか。ところが僕氏、何を血迷ったのか茶碗でもクミンをすることはできるんじゃないかとの天啓を受け、結局すりこぎ棒のみを購入するという、自分で丁寧に掘った落とし穴に自分で落ちるような暴挙に出ているから救いがない。結局茶碗ではツルツルと逃げ回るクミン達をすることができず、しかも後日別の100円ショップに行くと、やはりすり鉢とすりこぎ棒はセットで売られており、あまりの裏目に思わず「アイヤー」と声が出た。

先日のことだ。三浦直之主催、ロロ・いつ高シリーズVol.6『グッド・モーニング』の観劇に行く。相変わらず僕の趣味ど真ん中の主題で、描かれる青春の一幕の美しさとその純度に骨抜きにされてしまった。60分とコンパクトではあるものの、その濃密なキラキラ成分故に満足度がとんでもない。劇中に『ハライチのターン』が登場した時には、「ハライチ、来るとこまで来たな」と思ったものです。

記事;ガール・ミーツ・ガールの金字塔。ロロ・いつ高Vol.6『グッド・モーニング』

その帰りがけに『麺珍』というラーメン屋で油そばに舌鼓を打つ。早稲田大学のほど近くにあるこのラーメン屋、何を隠そう大好きです。学生時代、早稲田に5日ほど連続で行く機会があった時などは5日中4日通ったものだ。ちなみに油そばは、お酢とラー油をかけ、タレと絡めながら食べるのが基本ではあるがご存知だろうか、本当に美味しい油そばはお酢もラー油も要らないということを。公式の案内にすらお酢とラー油をかけるよう記載があるのだが、それは間違い。麺珍に行った際は騙されたと思って何もかけずに食べてみてほしい。

これまた先日のこと、仕事中のBGMとして、ceroの高城くんがインタビューで挙げていた楽曲を片っ端から聞いて行くという作業に着手する。初っ端から大当たりを引いてしまったのが、ブレッド&バターの『THE LAST LETTER』

1979年にリリースされたこのアルバムは、時代的に音楽的な成熟を迎えた今聴いても全く色褪せない。オルタナティブJ-POPとでも呼ぶべき違和感のある曲の構成と、ナヨっとした歌声にグッドメロディーを携えて、40年の時を超えて僕の琴線を震わせた。夏の終わり、秋へと移り変わるようなこのタイミングで出会えたことに感謝感謝だ。

これも先日のこと、『ハライチのターン』の生放送回もとい時の共有回で行われた岩井生誕祭の折、にゃんぞぬデシというSSWが岩井に提供した曲のあまりのクオリティにたまげる。

曲もいいのだが何と言っても声が良い。少しハスキーめの声でありながら裏声は実に伸びやかで綺麗。これが19歳というのだから驚きを禁じ得ない。カネコアヤノ にPetalに吉澤嘉代子Mitskiににゃんぞぬデシ、平成最後の女性SSWラッシュがとんでもない。なんて幸せな時代なのだろう。そして彼女の存在を星野源の再来と決めつけてしまうのは早計でしょうか。ラジオとSSWと誕生日というKWからはバナナマンと星野源の関係性を思い出さずにはいられない僕である。にゃんぞぬデシの誕生日ソング企画、恒例化希望です。

先日、時は僕の誕生日8月19日のことである。なんと僕の大好きな青春ゾンビが復活したのだ。ヒコさんのTwitterを見るに、営業職への人事異動が彼に多大なる負担をかけたようで、それ以来青春ゾンビの更新が止まってしまっていた。その期間およそ5ヶ月間。彼の文章に心酔し、ブログを始めるに至った僕のモチベーションであり、師であり、おこがましくもライバルであった彼の不在は僕の心に大きな穴を空けていたものだ。そんな青春ゾンビが戻ってきた。ゾンビが復活というのも変な話ではあるが、何はともあれ彼がシーンに戻ってきた!ここからカルチャーブログシーンは跳梁跋扈の戦国時代へ突入することであろう。下剋上の日は近い。

最後に先日のことである。金足農業の甲子園決勝での健闘にはいたく感動してしまった。既に語り尽くされた論法ではあるが言ってしまおう、いや漫画かよと。MAJORの聖秀VS海堂戦のような神の悪戯のような対戦カードは実にネットを盛り上げたものだが、現実はやはり漫画のようには行かないものであるなぁ。大阪桐蔭の選手のストイックな努力はもちろん重々承知の上で、やはりどこかドラマチックな展開を期待してしまうもので、気付いたら僕の心の中では完全に大阪桐蔭が仮想敵国としての地位を確立していた。5回裏の大阪桐蔭の攻撃などには胸を引き裂かれるような気持ちであった。それにしても普段スポーツには微塵の興味もない僕ですらこうして熱狂の渦に巻き込む高校野球というコンテンツの強かであることよ。日本の夏はまだまだ熱い。

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