最近のこと 2024年1月8日

日々のこと

年が明け、日記を出し始めてようやく2週目。全く月日の流れの早いことよ。1月も折り返してしまったし、今の所僕の2024年はまだまだ走り出しているのかいないのか絶妙な手応えだ。とりあえずこの日記を書くことで、最低限日記に書ける日常を目指して生活しようという意識が芽生えているので悪くはない。

1月2週目の日記です。アイキャッチは後述の伍というお店での一幕。小窓から差し込む日差しが綺麗。最近僕のGRは左下に影が映るようになってしまった。早いところ修理に出さなければと思うが、費用が怖いところ。軽症であることを祈るばかりだ。

最近のこと、1月8日月曜日

成人の日。新成人の皆さん、おめでとうございます。僕は地元の町田市には友達がいないので成人式には出ず、CITY COUNTRY CITYでパスタ巻いてました。出る理由があるなら出ればいいし、出なくても何も変わんないですよ。

こたつに入りながら、前日から配信されていたFRUEの2日目の配信を見る。こたつの温もりと角銅真実の心地良さで思わず寝てしまい、起きたらお目当てのTim Bernardesが始まっていた。彼が演奏している姿を初めて観たのですが、このジャケまんまの顔しててなんかびっくりしました。本人なんだから当たり前のことなんですけどね。

演奏は当然めちゃくちゃ良い。ガットギターの軽やかな音色と伸びやかな歌声。三連休最終日を心穏やかに過ごせたのはきっと彼のおかげです。

本当は映画でも観に行こうと思っていたのだが、アホみたいな席しか残ってなかったので断念。取るに足らない夕飯を食べて小山愛子『舞妓さんちのまかないさん』をアプリで読んだ。

日常系の漫画ってたくさんあるけど、これは中でもトップクラスに好きだな。料理漫画でありながらレシピに固執せず、日常と人間とをきっちりと描いている感じがとても良い。『日日是好日』で描かれる季節の大切さとか、『乙嫁語り』に見る異文化の切り取り方とか、僕は日常を本当に愛している人の作品が好きだ。ドラマも観てみようかな。蒔田彩珠も出てましたよね。ファンなんです。

1月9日火曜日

新年初泳ぎ。昨年は運動をサボりすぎてジム代を無駄に支払い続けてしまった。運動が大切だということには去年身を持って思い知ったはずだったのに、怠惰と堕落の甘やかさたるや。一度サボれば足取り重く、二度サボれば行かぬが自然に。無理矢理にでも習慣付けてしまうのが良いのだろう。この日は1時間で1kmほど泳いで上がり。このジムはサウナもいいのだが、年末に知人から聞いたヒートショックの話が怖くて、水風呂をやめシャワーに。この季節は外気浴でしっかり冷えるからそれだけでもいいよな。

一緒に泳いでいる友人が、ジムの近くの慎といううどん屋にハマっていて、この日もそちらへ。この店、とにかくインバウンド客が多く、いつ行っても2時間ほど並ぶ羽目になる。僕らはいつもジム前に整理券を取っておき、終わればちょうどいい時間になるからそんなに悪い話じゃない。僕が釜玉940円を頼むかたわら、彼は天ぷらうどん2,840円を頼んでいて笑った。そして自分で頼んでおきながら、僕に海老と蓮根と南瓜を丸っとくれる。この友人の一番の美点がこの「1個くれる精神」なのだよな。彼は2個しか入っていない雪見だいふくを1個くれるような男なのだ。ケチな僕にはできそうにない。

そのままカフェで仕事。仕事中に聞いた今年一発目の『空気階段の踊り場』が、かたまりの癇癪回で最高。最近はかたまりがあまり癇癪を起こしてくれなくて寂しかったのだ。ラジオとか関係なく、かたまりは余裕でブチギレるし、黙り込むし、急に叫ぶ。そしてそれを煽るもぐら。プロレスの域をはみ出てしまった2人のやり取りが大好物だ。

夜は後輩を誘って幡ヶ谷・祐定へ。ここは美味しくて安くて煙草が吸える最高の居酒屋。この日は珍しく満席だったので、入り口脇の小さいテーブルで焼売とローストポークを肴にちびちびと飲む。

後輩がキープしていたボトルを飲み切り、そのままその後輩の家で『光る君へ』の第一話を鑑賞。2人でやいやいと茶々を入れながら観るドラマってこんなに面白いのか。あらびき団や相席食堂が実現した「テレビのメタ化」を、ドラマにも適用することができる鑑賞スタイル。気が合う人間とじゃないと喧しくてやってられないとは思うが、そうでないならこれは大いにアリだ。今後も定期的に集まって行おう。

その後はYoutubeで動画を漁り、たどり着いた2023年のみうらじゅん賞が破茶滅茶に面白かった。この絶妙な動画のクオリティと、いちいち受賞者がコメントを寄せる権威性と、みうらじゅんの胡散臭さ。一組目の受賞者のくだりは思わず2人してツッコんでしまった。この人いつまでステイホームとか言ってるんだろう。

結局3時くらいまで飲み続けてしまい、帰って即爆睡した。

1月10日水曜日

この日は昼から茶割のオーナー、多治見さんとお茶屋を巡る約束が。昨日の深酒が出端をくじき、集合時間を1時間遅らせてもらった。

一軒目は表参道・伍へ。5席しかないこじんまりとした、BGMもなく静寂に包まれる店内。そこで味わう3煎のお茶。きちんと3煎淹れてくれて、2,000円弱という価格感が絶妙。体験に対してちょうどいい価格帯の店が、お茶屋には意外と少ないのだ。お茶のラインナップは、半分ほどが知っているお茶がだったが、季節ごとに変わるというし、どれも僕の好きなお茶なのが嬉しい。味の好みが近くて、価格感もちょうどいいお茶屋。積極的に紹介したい店を見付けました。

昼は青山・川上庵でくるみだれ蕎麦。昔夜に来た時にお通しで出てきた板わさがとびっきり美味しかった記憶があり、この日も一皿頼んだのだけれども、食べてみたらごく平凡。どうやら使っているかまぼこが変わり、ただの板わさに成り下がってしまったらしい。心の底から落胆した。板わさに感動したのは後にも先にもあの板わさだけ。カムバック・マイ・ベスト・かまぼこ・エヴァー。

二軒目は昨年新らしくできた松葉屋茶寮へ。この店はやばい。お茶屋というよりかはギャラリーに近いお店なのだが、内装も、食器も、調度品も、とにかく全てがオリジナルか作家物か工芸品。飾ってある盆栽は数百万だし、店頭の6m近い注連縄も特注品。とにかくありとあらゆる全てにお金がかかっていて、3億円くらいあればギリ作れるかもしれないなーなどとぼんやり。肝心のお茶は値段の割に平の凡。鑑賞代込みの値段と考えればまあ納得はできる。何気なく茶托の裏を見たら、長年の憧れの鈴木盛久で嬉しくなったな。

夜は吉祥寺まで、初の春ねむりのライブへ。かなり近い距離にいたアーティストだったはずなのだけれども、これまでまともに聴いたことがなかった。ポエトリーとは言いつつ、リズムに対してリリックが固いのが意外。どうやらこの日のセトリは普段とは違ってダンス系の楽曲で固められていたらしく、僕の印象はそれに起因するらしい。普段はもっとポエトリーリーディングの側面が強いらしいので、ぜひそちらも観てみたい。

このジャンルで言うと不可思議/wonderboy、狐火、神門、Kate Tempest(いつの間にかKae Tempestに変名したんですね)あたりが思い浮かぶけれども、思い返してみても僕はかなりこの音楽が好きだ。リズムから解放されたリリックの自由度はポップスより、ヒップホップよりも高まり、より通常の文章に漸近する。情報量は増し、搭載できる感情の量も増していく。かなり原型に近い感情を投げかけられるこのジャンルの音楽は、聴きやすいとはとても言えないが、刺さる時にはブッ刺さるんだよな。

春ねむり、言葉の通じない諸外国で人気だというから驚き。言葉よりも感情の部分で伝わるものが多いんだろうな。またぜひライブに行きたいものです。

1月11日木曜日

朝から仕事が忙しく、気が付けば夜だったこの日。昼は仕事の合間にナポリタンを作って食べた。毎回思うけど、使うケチャップの量がすごい。ポテサラのマヨネーズもとかもそう。調味料をドバッと大量に使うことに不安な気持ちって無いかい?とはいえそんな機会でもないと調味料って一生無くならないので大事かもしれない。

夜は近所のイタリアンへ。今年は暖冬のせいで野菜の旬が狂っているらしく、もう既にふきのとうや菜の花がラインナップに並んでいる。季節感も何もあったものじゃないよな。ここで不思議なのは、菜の花を食べたからといって春を感じる訳ではないという矛盾。季節感は、季節と味覚がリンクして初めて生まれる。考えてみればそりゃそうで、旬の野菜はその季節に必要な栄養素が揃っているわけで、食材は春でも身体は冬なわけで。そのミスマッチが季節感を生まないのも納得である。とはいえふきのとうも菜の花も、季節感を欠いて尚美味しい。特に菜の花のジェノベーゼと柚子のパスタ、最高でした。

最近はあのちゃんにハマっている。昨年の『猫猫吐吐』(読み方はまさかのニャンニャンオエー)が想像の何倍も良く、続いて年始に出した『YOU&愛 Heaven』も良曲。シンプルに楽曲の良さだけで十二分に聴けるアルバムなのだけれども、全部彼女以外が歌っても何の意味もない曲ばかりなのがすごい。

今や時の人となった彼女。煌びやかで華々しいとされる表舞台にいながら、彼女は常に彼女自身の闇を纏っている。生き辛さと言ってしまえば簡単だけれど、彼女の場合はもっと切実に、自分と世界の形の違いに、苦しみ、苛立ち、その感情を何とかして世に放っている、そんな印象を受ける。オーディエンスに向けたものではなく、そもそも他人のことを考えていられるほど、彼女にも余裕がない。僕らを救う気なんてさらさらない。

ちゃんとしてるのにいつもおかしくて

それでもこれしかなかった

『普変』

そんな彼女に救われ、そんなファンに救われてきた彼女の奇妙な共依存。耳触りはポップだが、そこには切実さと痛みが渦巻いている。個人的にはここまでパブリックイメージを確立したアーティストのフルアルバムってすごく興味があって、今の日本だとそういう人って星野源くらいしかいない気がするんだよな。アーティスト性とタレント性に一貫性があってすごく良いと思う。

1月12日金曜日

今年の抱負「歌上手くなる」を実現するために初のボイトレレッスンへ。僕の目標は大きく二つ。音域を広げることと、歌の端々の処理が上手くなること。でも、本当に歌上手くなれるのかな、高い声出るようになるのかな、なんて不安を抱えていた僕に、レッスン冒頭で先生がかけてくれた「フジイさんの声帯のポテンシャルはhydeです」という言葉に有頂天。素晴らしい慧眼を持つこの先生に師事できたことを嬉しく思う。

初回で習ったのはリズム感と呼吸法の基礎中の基礎。今後は月2回のペースでレッスンを続けるが、しばらくはこれを続け、効果が出てくるのは大体6ヶ月後とのこと。小手先のテクニックではなく、基礎練から始めてくれる先生は信頼できる。という訳で現状まだ歌は上手くなっていないので悪しからず。

夜は知人のお誘いで北参道・小菊へ。ここはかなりサイコーな店で、去年の下半期だけでも4〜5回来ている。美味しくて、安くて、いつだって賑わっていて、明るくて楽しい。居酒屋文化の極北とでも呼ぶべき、圧倒的な完成度のお店。僕がジジイになっても通っているのは、きっとこんなお店だ。

この日は4人で行ったので、品数たっぷり頼めて最高。しこたま食べ、しこたま飲み。そのままこの知人の家へ。小菊に行く時は、いつも彼の家まで行くのがセットなのだ。彼の家には2匹の猫ちゃんがいて、1匹は人懐こく、もう1匹は触れさせてもくれない。今年はこのつれない子をワシワシとするのが目標だ。

1月13日土曜日

前日はいろいろとチャンポンしながら結局3時頃まで飲んでしまった。その酔いを引きずり、正午に起床。近所の古民家喫茶・沙庭の新年会に呼ばれていたのでお店へ。途中すごい雨が降ってきて、気が付いたら吹雪になっていた。古民家で聞く雨音と、雪見障子から眺める東京の雪。風情があってとても良いなぁ。終の住処は平屋がいいです。

ちなみにこの日僕は『Lover’s Again』の歌い出しがめちゃくちゃ良いことに気が付きました。雪が降ると街がざわめく感じ、すごくよくわかるし情景描写として美しい。その後即行でダサいので結局ダメなんですがね。

初雪にざわめく街で

見覚えのあるスカイブルーのマフラー

夜は池ノ上・Yup!に新年のご挨拶。いつ来てもいいお店だし、店長のパコは最高に可愛い。フラッと気軽に立ち寄れて、営業時間も長くて、店主のお二人がいい感じ。近所にこのビール屋があることの幸運を噛み締めながら、パイントを2杯飲み干した。

1月14日日曜日

後輩の山中タクトのライブへ下北沢BASEMENT BARへ。彼はシンプルに曲が良い。今のところ彼の作った『ライラック』という曲が令和で一番良い曲なのだけれども、今はサブスクで聴けなくなってしまった。早くリマスターして配信してくれと口を酸っぱくして言い続けている。

この日も新曲を弾き語りで披露していて、その曲も令和で二番目に良い曲になり得る良曲。身内贔屓を抜きにしてもソングライティングの力がありすぎる。ミスチルか?牧歌的で、どこか物悲しくて、けれど優しくて。テーブルに落ちた陽だまりのように、手元に置いておきたい音楽たち。ご興味あればぜひ。

その後はライブに出ていた面々も引き連れて新台北へ。日曜の新台北は混んでいる(c.FIELD OF VIEW『突然』)。久々に新台北で食べたいものを全部食べた気がする。ある程度人数がいないと、品数が頼めないのだよな。来すぎてメニューを開くまでもない。とりあえずエンチャンとシャソン頼んでおくと良いですよ。

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