渋谷WWWで『キセル』と『Gofish』の2マンを観た

この2マン、いくら何でも僕得すぎる。

昨年末にリリースされた『肺』というシングルが、昨年のベストシングルもかくやという最高のトラックだったGofish。正直知名度はまだまだ低いものの、その楽曲はいずれも洗練されていて、アコギ・チェロ・コントラバスという異色の楽器構成がその魅力を倍増させるトリオである。

2017年に産み落とされた、Gofish『肺』という超怪作

キセルに関しては語るまでもなかろう。兄弟コンビという意味では中川家とも並ぶ最高の兄弟である。

さて、キセルはともかく、この二組のツーマンで渋谷WWWが埋まるのか心配になってしまったが、その予感は全く間違っていなかった。

ステージ前のフロアはまさかの着席。2階以上は全体的にまばらという近年稀に見るガラガラっぷりだ。とはいえ終わってみれば、当初の予想通りの最高のライブ。

稀代の根無し草こと『王舟』もこう語る通り、語り継ぎたくなるような素晴らしいアクトだったので、こうして記録を残すのである。




『Gofish』

先述の通りアコギ・チェロ・コントラバスという弦楽器3重奏に、終盤は男女2名のコーラスを加えての5人編成。アルバムにも参加している女性SSWのイ・ランがいなかったのは残念だが、この5人というのが実にハマっていて最高。

色彩薄く、どこか夢のような覚束なさに満ち満ちたあの雰囲気。ふわふわと掴み所なく、ふとした瞬間に消えてしまうような淡く薄い世界観。そこに全身で浸かり込んでただただその心地良さに揺られるような極上の時間。

そしてその空間を、電子楽器の一切を使わずに作り上げているという事に驚かされる。

チェロとコントラバスの温かく豊かな低音と、Vo.テライショウタの掠れつつもスイートな歌声。そこにコーラスが絡みつき幻想的な響きを成し始める。『さよならを追いかけて』『うお座』あたりはあまりの良さに脳が麻痺したような感覚がある。

だがしかし、やはり真髄は『肺』だ。

津波のようにゆっくりと押し寄せる音の厚み、チェロとコントラバスの恐ろしさすら感じる重低音、同じフレーズを何度も繰り返す大サビの切迫感と没入感といったら無類だし、気付けば8分もの時間が一瞬で過ぎているあの感覚。音源も素晴らしいが、ライブで聴くあの曲の凄さはちょっと別格だ。

今年の頭にリリースした『燐光』で5枚目のリリースとなる彼らGofish。マイペースな活動を続ける彼らのライブを、観る機会があったならば是非とも目撃するべきだ。

 

『キセル』

前回キセルを観たのは去年の朝霧JAM。屋外ステージのよく似合う、実にキセルらしいライブであった。

今回はドラムを含めたいつもの3名に、フルート&サックスが1名の4人編成。

ベストはやっぱり、2曲目に披露した『ベガ』だ。

このTAICOCLUB’11での演奏があまりにも好き過ぎて、一時期狂ったようにYoutubeで聴いていたものだ。今回はフルートとドラムががっつり入って実に新感覚。だが久々に聴くこの曲の懐かしさとあまりの良さに、どうにかなってしまいそうだった。

昨日書いた 忘れないよ 本当になってしまう様にね

固結びで ほどけないよ 後戻りできないね

この歌詞が本当にたまらない。大好き。

『ひとつだけ変えた』『富士と夕闇』などの新譜『The Blue Hour』の曲を混ぜつつたっぷり1時間。新譜の曲はキセル自身も語る通りいい意味で”気持ち悪い”曲が多い。サイケで少し正道から外れたようなアプローチを混ぜつつ展開される楽曲達は、ライブで聴くとどこか遠くに連れて行かれそうな浮遊感がとんでもなくて実に心地よい。

キセルのライブはいつだって優しくて、柔らかくて、心が何センチか宙に浮くみたいな心地になれる。特に『ギンヤンマ』では「夏が来るなぁ」としみじみ聴き入ってしまった。

 

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