ヒップホップと歌謡の邂逅、『加山雄三の新世界』が素晴らしい

いい音楽

加山雄三の往年の名曲を8組のアーティストがリミックス&がっつりヒップホップのテイスト加えて再構築したこのアルバム。んだこれメッチャいいぞ・・・っていう最近あんまりなかった裏切られ方をしました。

これは結構マジで聞くべきなので熱愛レビューいきます!

感想

加山雄三の生誕80周年を記念して作られたこのアルバム。ラインナップは以下の通り。

M1 お嫁においで2015 feat. PUNPEE

M2 蒼い星くず feat. ももいろクローバーZ×サイプレス上野とロベルト吉野×Dorian

M3 夜空の星 feat. KAKATO×川辺ヒロシ 

M4 ブラック・サンド・ビーチ~エレキだんじり~ feat. スチャダラパー

M5 旅人よ feat. RHYMESTER

M6 夕陽は赤く(yah-man version)feat. RITTO×ALTZ

M7 海 その愛 feat. 水曜日のカンパネラ

M8 君といつまでも(together forever mix)feat. ECD×DJ Mitsu The Beats

スチャダラパーやRHYMESTERなどの大御所から、KAKATOやPUNPEEといったホットなラッパー、変わり種はももクロまでそうそうたる面々。

1曲目の『お嫁においで』はタイトルからもわかる通り2015年にリリースされていた曲。結構話題になったし掛け値なしにいい曲なので知ってる人も多いはず。このリミックスがこれまた本当にお見事。50年も昔の原曲のテイストを微塵も損なうことなく、ラップと融合させたこの曲は本当にたまらん。特に1番のサビの入り方とかもう鳥肌モノ。オンボロの古民家がリノベーションを経て高級旅館に生まれ変わったかのような、もはやリミックスというよりも「リビルド」に近いアレンジで完全に最高なんです。

他の曲はと言うと、M2のももクロのラップも新鮮でよかったし、M5『旅人よ』のラップはRHYMESTER感バリバリ全開でマジで最高。M3のKAKATO×川辺ひろしの『夜空の星』はリリックがスッと入って来るし、何よりバックの加山雄三のギターが最高。

でもやっぱり特筆すべきは水カンの『海 その愛』とM8の『君といつまでも』

まずは水カンのこのアレンジ、何がすごいってコムアイお馴染みのおちゃらけラップが無いとこ。あんまりしっかり歌を歌うイメージのないコムアイのアカペラから始まるこの曲。いつ来るコムアイ節、って構えてるとコーラスがっつりの壮大なアレンジが続くばかりでいつまで経ってもふざけない。やっとふざけ始めたかと思いきや直ぐにさらに荘厳な大サビがやってきて、野太く男らしい加山雄三と、細く女の子らしい声のコムアイが一緒に歌って終わる。ギャップのある二人の声がとても合っててものすごくいい。こういうアレンジもあるのか・・・、っていうかこのアルバムの中でこういうアプローチするのか!っていう驚きがすごい。リスナーが水カンに求めていたことを見事に裏切って、それ以上のものを見せてくれたこの曲は傑作揃いのこのアルバムの中でも必聴トラックです。

そして『君といつまでも』に関しては本当に宝物みたいな1曲だと思います。最高のアレンジが続くこのアルバムの中で、最後のこの曲が実は一番すごい。四の五の言わずにこのPVを見てほしい。見たらわかる。聞いてわからなかったやつは尚更。

 

おわりに

正直加山雄三の曲なんて有名どこしか知らないんだけれども、50年も前の曲をヒップホップにリメイクしてもこんなに合うんだっていうのが感想。各アーティストの手腕もそうだけど、やっぱり加山雄三の楽曲のポテンシャルがすごい。『夜空の星』の原曲のかっこよさとか本当尋常じゃない。このアルバムもヘビロテするだろうけど、これを機に原曲も聴き漁ることになりそうだ。

唯一残念なのが、どの曲も本当にメッチャいいんだけどもスチャダラの『Sex on the Beach』オマージュの『ブラック・サンド・ビーチ』だけあんまり好きじゃなかったこと。スチャダラパーは大好きなので安心してほしい。

あとたまたま見つけたこのアルバムの特設ページが超かわいいので必見→https://kayama-shinsekai.com/

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