下北沢440で『王舟』と『三輪二郎』を観た

三輪二郎ってまず皆さんご存知ですかね?

このジャケットのイラストをそっくりそのまま顔面に写したような風貌の、横浜を中心に活動するSSWである。年齢不詳。その髪のボリュームは常軌を逸しており、一度目にしたら忘れることはない。

アルバムは3枚出ているがいずれもヒットしているとは言えず、かといって精力的にライブをやっている訳でもない。その割にミュージシャン界隈での顔は広いらしいのが不思議。僕が初めて彼と出会ったのは、『曽我部恵一BAND』のギターを務めていた上野智文がお店を出した時のオープニングパーティーだったし、曽我部恵一とカジヒデキがやってるラジオにゲストで選曲を担当してたこともあるし、上のアルバムには大森靖子が参加してる曲もある。今回の440でのライブも王舟が声をかけて実現したらしい。








感想

このライブの告知をTwitterで見つけた瞬間に絶対に行こうと心に決めていた僕である。この2マン僕以外に需要あんの?とも思った。そもそもこの世の中に王舟と三輪二郎のどちらも大好きな人が一体何人いるだろうか。僕は今まで一人も出会ったことがない。ちなみにライブ2日前にePlusでチケットを取ったところ整理番号が12番だったので全てを悟った。

二人とも大好きな僕からしたら、年齢も音楽性もなかなかに離れているであろう二人のSSWがどんなライブをするのか、全然想像がつかなかったし面白いものが生まれそうな予感がするじゃないか。

この王舟のツイートにグッときた。確かに三輪さんはこういうことをさらっと電話で行ってきそう。多分ガラケーで。

この日の会場は下北沢440。ライブハウス激戦区下北においてやや異質、というか最早ライブハウスというよりもライブバー・ジャズバーのような雰囲気の箱である。中のスペースはほとんど座席だし、お酒だけではなくつまみも頼めるし、ステージも小さい。俗に言う下北っぽいロック・ポップスよりも、フォークとかジャズとかのブッキングが多いイメージ。

先に現れたのは王舟。この日はアコギ一本の弾き語りスタイルで、去年朝霧JAMで見たときはバンド編成だったからか印象がガラッと違う。良くも悪くも適当というか、根無し草っぽいプレイスタイルである。以前何かの雑誌で、ceroの高城昌平が王舟君は8歳の頃からずっと日本で過ごしてるのに、突然フラッと「上海(出身地)帰ろうかな」みたいなことを言うらしく、まだ日本に遊びに来てる感覚でいる彼のことを本当のシティボーイと語っていた。(このエピソードを書いてるうちに、最後にシティボーイという言葉が出てきた瞬間に「あぁ、POPEYEだわ」と思い出した)

一旦弾き始めた曲を「なんか違うな」とか言ってやめちゃったりするし、なんならセトリもその場で変えてたっぽいし、超自然体というか「うわぁ自由」って感じ。ただ『Thailand』とか『とうもろこし畑』あたりの僕の大好きな曲も聞けたし、メドレーで何曲かやっていたうちの1曲が電気グルーヴの『虹』で、あの最高の曲を抜群に自分の雰囲気の中に落とし込めててめちゃくちゃよかった。

そして三輪二郎バンド(Vo.Gt.三輪二郎、Ba.伊賀航、Dr.北山ゆう子)である。

僕の一番好きな『デンス・ミュージック』という曲から始まったセトリは知ってる曲ばかりで、なんだか懐かしくなってしまった。ちなみにこの曲は「かわいいあの子を躍らせたいのさ」というフレーズが最高。その辺のイケてるにーちゃんが歌ってもペラさしかないが、いい年したおっさんが歌うこのフレーズはあまりにも沁みるものがある。

他にも『ダブルファンタジー』や『ソルティドッグブルース』などのイイ曲を、アンコール含め10曲ちょい披露してこの日はお終い。改めて感じたのは三輪二郎のギターの巧さである。いっつもギーソロになると「もういいっしょ」とか「ギター上手いのはもうわかったよね」とか言って途中で適当にやめてしまうのだが、何回聞いても飽きたことなどない。実際ギターはめちゃくちゃ上手いのだが、それを見せつけるでもなく、心底面倒くさいといった感じでギーソロを投げ出す姿は味があってとても良い。

王舟と三輪二郎は二人とも良い感じに気が抜けていて、肩肘張らないゆるくてとても良い夜でした。

 

おわりに

実は三輪二郎のバンド編成見るのは初めてだったのだが弾き語りよりも好きだったかもしれない。

でもこの先ワンマンとかは一生なさそうだから、今回みたいな良い感じのツーマンとか行きたい。

 

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