韓国旅行記 with『ili(イリー)』Vol.3 – 至高のチムジルバン&炭釜(スッカマ)[PR]

頼もしい相棒である翻訳ツール『ili』を引き連れて、初めてソウルの街を訪れたフジイ。

『ili』の力を借りながら最高のキムチチゲとバーに出会えたフジイは、この旅最大の目的であるチムジルバン(韓国式サウナ)を目指す。

そこで待ち受けるものとは・・・

混乱と灼熱の韓国旅行記 with『ili』最終章、お楽しみください!

韓国旅行記 with『ili(イリー)』Vol.1 – ローカルを求めて[PR]

韓国旅行記 with『ili(イリー)』Vol.2 – 知る人ぞ知るグルメとの出会い[PR]



山中の秘境チムジルバン

最寄りの「新村駅」からタクシーに乗ること20分。まあまあの坂を登り、人の気配も薄くなった辺りに目的地はあった。

昨晩バー『HASOOK』に連れて行ってくれた女性がDangerousと行っていたのはこの場所のことらしい。夜だと人通りも少なくて、結構な山道だし、少し間違えると山の方に入ってしまう。確かにタクシーで『ili』を使いながら案内しないと行きづらい場所だ。

そうして目の前に現れたのは、

いや、なんかちょっと怖い。

そこはかとなく漂う廃墟感。夜だったら怖くて引き返してしまいそうな佇まい。でかでかと掲げられた看板は、ハングル文字の怖さを最大限活かしたデザインとしか考えられないし、立体的な文字から生まれる陰影はホラー感を助長している。

そして唐突に英語で書かれた『Welcome to Korea』の文字。

こいつ、「韓国」を背負っている気でいやがる・・・!

僕が今までいたのはKoreaもどきで、今ここに辿り着いて初めてKoreaなんだと言わんばかりの傲岸不遜さ。嫌いじゃない。

早速入口へと向かおう。

 

4階建、謎だらけのスパ施設

初めて行くサウナというのは、日本のサウナであっても緊張するもの。それが異国、さらには韓国を背負うほどのサウナともなれば、その緊張は尋常ではない。

ビクビクキョロキョロしながら受付に向かうと、おばちゃんが無言で料金表を指差して値段を教えてくれた。そのお値段、まさかの12,000ウォン(1,200円)。都内のサウナよりはるかに安い良心価格。

靴箱の鍵を渡すとロッカーの鍵と館内着を渡される。この辺は日本のサウナと同じシステムらしい。

途中見つけた案内で現在地を把握する。

めっちゃ日本語で書いてあって最高に助かった。日本語と英語のキャプションがなかったら、この中で解読できたのPCルームのPCだけだ。あとこれどう見ても「今2階だよ」って感じなのにこの案内を見ているここは3階ってのがいい。リアルを疑え。

そして4階。水車?ゴルフ場?どうもツッコミどころの多すぎる案内だ。

という訳でまずは気になる4階へ。

なにこの世界観。

用途と世界観がわからなすぎてクラクラする。しかもゴルフ場無いし。

こんなところに時間を割いてはいられない。もう4階はスルーだ。再び案内を見る。

男湯は3階、そして目的地となるチムジルバンと炭釜(スッカマ)は1階にあるらしい。

 

チムジルバンと炭釜(スッカマ)

ここでチムジルバンと炭釜(スッカマ)の違いについて説明しておこう。

実は『チムジルバン』というのは、韓国におけるスパ施設の一種で、サウナ・宿泊・飲食・仮眠などができる施設の呼称だ。厳密にいえば韓国式サウナに当たるのは『汗蒸幕(ハンジュンマク)』なのだが、上の案内を見るとチムジルバンと記載があるし、そこの機微はイマイチわからない。

汗蒸幕は、50〜90度のサウナのような部屋に麻布を身体に巻いて入るのが特徴らしいが、この施設では皆麻布は巻いてなかった。この施設の汗蒸幕は、サウナストーブのようなものを使っていて、湿度がほとんどないので体感温度としては低め。例えるなら夏場のめちゃ暑い締め切ったワンルーム。

それに対して『炭釜(スッカマ)』は全くの別物。

土でできたドーム状の窯のような部屋で、部屋の中で火を焚くのではなくその周りで火を焚く仕組み。温度も汗蒸幕とは段違いで、それもそのはず。昔は炭を作るための釜だった施設を使っているらしく、本来人間を気持ちよくさせる施設ではないのだ。例えるなら火事で閉じ込められたワンルーム。

そして日本のサウナとの一番の違いは、着衣で入るということ。館内着を着たまま入るので、女性も男性も同じサウナに入る。韓国の若者は夫婦やカップルで入りにくるケースもあるのだとか。

 

チムジルバンでグリル!

まずはチムジルバンで僕自身をグリルしていきたい。

ここに横になってじっくりと汗をかく。とはいえ温度はそこまで高くなく、むしろちょっと心地いいくらいで、油断すると平気で寝てしまいそうな温度だ。

これは正直期待していたほどではなかったので、さっさと次の本格炭釜(スッカマ)へと向かう。

 

炭釜(スッカマ)でグリル!

これが噂のスッカマである。

全部で3つ部屋があり、中温・高温・超高温(韓国語で書いてあるのでどの部屋がどれなのかがわからない)。写真の左下に火が見えるだろうか。その前に置かれた薪をくべ、温度を調整する仕組みらしい。

まずは一番人の出入りがある、左の部屋に入る。

赤い布は分厚い遮熱カーテンのようなもので、これが何重にも重なって部屋の温度を閉じ込めているらしい。一枚めくるごとに部屋の熱気はムンムンと強くなり、いざ室内に入るとなかなかの熱さだ。床にはすのこのようなものが敷かれているが、それすらも熱くなっていて、裸足では足の裏が焼けそうになる。僕もサウナで慣れているとはいえ、湿度無しでこの体感温度、間違いなく100度は超えている。

土でできた釜の中は、当然ながら一切の装飾無し。ドーム状で、しかも中には同じ服を着た男女が皆似たような姿勢で座っているものだから、何やら怪しい宗教みたいなのだが、それがいい。ものすごく集中できるし、サウナよりも超自然的な雰囲気があって没頭できるのだ。

館内着がびしょびしょになるくらい汗をかいてから退出。当然ながらこんなところに水風呂は無い。ではどこで身体を冷やすのかというと、屋外の休憩所だ。

 

森の癒しでととのう!

見よこの緑の深さ。

外に出ると風が火照った身体を冷ましてくれる。風が吹けば葉擦れの音と揺れる木漏れ日。耳を澄ませば川のせせらぎと鳥の声。

これ、正直、めっちゃいい。

水風呂で身体をキュッと締めるのに慣れた僕は、水風呂無しの仕打ちに耐えられるのかと心配していたものの、物足りなさなど一切ない。強いていうならこの環境に水風呂があったら最高だとは思うけれども、この自然の持つ癒しの力が半端ないので、自ずと身も心もととのう。

おばちゃんたちはここでお弁当を食べながらおしゃべりしていたり、ごろりと横になってリラックスしていたりと思い思いで、日本の銭湯と同じように、地域の人たちのコミュニティが形成されているのを感じた。

 

超高温スッカマに挑戦

自然に包まれ散々ととのった後、再びスッカマへと向かう。どうやらさっき入ったのが高温だったらしく、中温では全くもって物足りなかった。

さて、残るは超高温。ここまで来てこれを体験せずには帰れない。

先ほどの反省を活かして靴下を履き、床に敷くためのタオルを持ち、準備万端カーテンをめくる。

途端、灼熱の風が僕を覆った。まだカーテンを一枚めくっただけなのに、さっきの釜よりも遥かに熱い。なんだこれは中にリザードンでもいるんじゃないのか。たじろいだものの、意を決して中に入る。

灼熱、否、超灼熱。この熱さに比べればこれまでの温度なんてほんのお遊びに過ぎない。よく見ると中にいる人は皆持参したタオルを何重にも身体に巻き付けているではないか。その瞬間、僕は理解した。入った瞬間からチリチリと僕の肌を焼いているこの温度。あのタオルは身を守るために必要不可欠だったのだ。

何の装備も無いままに挑んだ僕は入って2秒と耐えきれず退散。あそこは生身で踏み入って良いところでは無い。というか何だあの温度。もはや調理の域だ。鬼が人間を美味しく食べるためにこんがり焼いてるとしか思えない温度だ。冗談で「グリル」という言葉を使っていたのだけれども、この釜に関しては冗談ではなかった。

やむを得ず、高温のスッカマと森の休憩所を2往復ほどして泣く泣く退散した(十分すぎるほどととのった)。

 

宿泊もできるチムジルバン

施設内には風呂・スッカマ以外にも様々な設備がある。

建物内にはこんな感じで休憩ができるスペースが至る所にあり、男女別々の休憩室もあり、そこを使えば宿泊もできる施設となっている。

さらには食堂。軽食からがっつりご飯、お酒まで食べられて、正直韓国に行くならホテルなど取らずともここでいいのでは無いかという気もしてくる。週末を使った一泊二日の弾丸ツアーの時なんか大分おすすめだ。

そして僕は次来る時は必ずや装備を整え、あの超高温スッカマに挑戦することを近い、このチムジルバンを去ったのであった。

悔しさは残るものの、都心では体験できないほど豊かな自然に近い、最高のチムジルバン体験であった。

 

韓国旅行記 with『ili』 – あとがき

この3日間、『ili』があって良かったと思う場面が何度もあった。

『ili』がしてくれるのは、僕らをコミュニケーションの入り口に運んでくれるところまで。言葉の通じない人たちとの会話を完璧に成立させる訳ではないけれども、そのコミュニケーションのハードルをグッと下げてくれる。たったそれだけの事でも、僕らの旅はとんでもなく便利に、そして豊かになる。ましてや僕のように、現地のローカルな店や場所を巡るのを目的にした時、現地の人とのコミュニケーションは必要不可欠なわけで、今回の旅は『ili』がある事で成立したと言っても過言ではない。

きっと次に旅に出る時も、僕はまた『ili』を持っていく。まだ見ぬ現地のローカルな体験を求めて。

 

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