何を隠そう、シャムキャッツが大好きである。『なんだかやれそう』を初めて聴いた時にはなんだこのふざけた曲はと思い、『渚』を聞くたびに海沿いをドライブしたくなり、『AFTER HOURS』歌詞に何度も切なさを覚え、『GIRL AT THE BUS STOP』のイントロの美しさに惚れ惚れとし、『MODELS』で踊った僕である。
去年の11月に出たシャムキャッツの5曲入りEP『君の町にも雨はふるのかい?』
遅ればせながらレビュー
感想
まずこの5曲入りってところがいいですよね。好きなアーティストの新しいアルバムを聴くときってどうしても身構えちゃうんですけど、このサイズ感だとさらっと聞き始められてするっと聞き終えられるからとても好き。
シャムキャッツの5曲入りEPっていうと『TAKE CARE』がマジもんの傑作でしたが、今回の『君の町にも雨はふるのかい?』はいいね!って感じのアルバム。食べログだと3.4くらい。
っていうのもなんかこう、全然違う方向向いた曲だらけだなっていうのが正直な感想です。やりたい事がたくさんあって色々試した結果5曲の全然毛色の違う曲が生まれて、とりあえずEP出せるから出しとこうぜ、みたいな。曲によってはああ・・・たまらん・・・って曲もあれば、ん〜?なんだこれ?って曲もあり。でも今までとは違ったシャムキャッツになるんだろうなっていう予感で次作が俄然楽しみになりました。
曲でいうとMVもある『洗濯物をとりこまなくちゃ』がやっぱりすごい。
こんな曲今までなかった!ギター・ベース・シンセの一つ一つの音の鳴らし方というか、足し算引き算というか、がものすごい塩梅で散りばめられてる。こんな曲絶対書けないし、カバーも多分できない。シャムキャッツすごい。
そしてやっぱり歌詞がいい。例によって生活感のある世界観に、2人の人間くさい登場人物。2番サビに歌われている友人にはすでに子供が生まれていて、僕の方なら未だにガキで困っちゃってる。僕もそういう歳になってこういう事を思いながらこの曲を聞きたい。
そして何よりもサビのフレーズである。
洗濯物をとりこまなくちゃ 君の町にも雨はふるのかい?
EP名に曲名にと散々聞いたはずのこのフレーズが全く新しい響きを持って耳に飛び込んでくる。ああもうたまらん。
そしてもう一曲たまらないのが『デボネア・ドライブ』。リバーブ利かせまくったスネアとギターが醸し出すサイケで幻想的な音と実は対比的に日常らしい歌詞。この曲は歌詞がサラサラと流れていって耳に残らない。フワフワしたつかみどころのないサウンドが実に心地よい。好きだ。
おわりに
個人的には4曲目以外はどれも好きだったので次のアルバムが実に待ち遠しい。ライブも観に行きたいものです。