フジロック’17 – 1日目

いいライブ

フジロスがひどい。

フジロックが終わってもう1週間も経つというのに、僕の心はポッカリと大きな穴が空いたまま塞がらない。その証拠にブログの更新を1週間以上もサボってしまった。何をしようにも集中力は伴わないのにふと思い出してみれば素晴らしかったあのアクトやこのアクトが鮮明に思い起こされるのだから不思議である。

1週間も経って何を今更と言われるのもやむなし。だが僕は記さねばならない。今年のフジロックも素晴らしかったということを。

1日目編

金曜日の早朝4時頃に苗場についた僕ら一行。先行組が場外で待っており、遠路はるばる3時間かけて運転してきた僕は歓迎されるかと思えば「遅い」と叱責を受ける有様。確かに山の向こう側はとっくに明るくなっており四捨五入せずともとっくに朝だった。6時頃にテントに潜り込み起床は8時すぎ。嗚呼、愛すべきフジロックあるある。これがなければ始まらない。

 

Doctor Prats

ともあれ僕の今年のフジロック1発目のアクトはずっと楽しみにしていた『Doctor Prats』

この時点では雨も降っていなかったので薄着のまま前線へ。最前あたりには当たり前のごとくガタイのいいヤンチャそうなおっさんしかいない。この手のおっさん達のお祭りバンドを発掘する嗅覚には毎年感服する。ヤンチャをやりきる為とはいえもはや勤勉である。

当然モッシュだらけでもみくちゃになるのだが、バッチリ予習していったので最高に楽しかった。しっかり観客を楽しませるライブをしてくれるし、スペイン語ってやっぱり最高だ。何年か前に観たイタリアのコンバットスカ『Talco』の巻き舌だらけのイタリア語も最高だったし、ああいうベラベラと早口でまくし立てる言葉で煽られるとどうしても盛り上がってしまう。

あんなことを言っておきながら僕もきっとヤンチャおっさん予備軍である。

 

TRAIN

『Doctor Prats』が終わってすぐにところ天国に移動して酒を飲む。学生時代のバイト先の先輩が来ているというので思い出話に花を咲かせる。バイト先以外で会うのがそもそも初めてだし、会うのも1〜2年ぶりなのに超楽しく話せる。フジロックのこういうところが大好きである。

ちょうどホワイトで『TRAIN』が始まり、音漏れを楽しむ。1曲も知らなかったが音漏れで聞く曲聞く曲どれもがかなり良い。途中でゴリゴリのギターソロを弾いた後の間奏で、急に「もういっちょギーソロ欲しいだろくれてやるよおお!!」って言い出して2回目のギターソロが始まった瞬間に最高さを確信しました。とはいえ川の心地よさに抗えず川ステイ。何人かの友達が耐えきれずにホワイトに走って行きましたね。

思えばこの時が2017年最初で最後の『川チル』である。Keenの水陸両用サンダルで死角の無い僕はじゃぶじゃぶと川に入って楽しんだ。

 

ORGE YOUR ASS HOLE

今年のフジロックで一番降ったのがこの時間じゃなかっただろうか。

正直オーガをナメていたのだが完全に度肝を抜かれた。フジロックが似合うのはこういうアーティストである。

演奏もさることながら、豪雨が似合うこと似合うこと。そのサイケな轟音が雨を呼んだかのように土砂降る雨を完全に味方につけた演奏は凄味が半端ない。視界が白くなるレベルの豪雨だったのだが、バチバチとものすごい勢いで頭や肩にぶつかる音もかき消すギターの濃密な轟音の心地良さは中毒性すら伴う恍惚感。これがオーガだったのかと認識を新たにせざるを得ないとんでもない演奏でした。

この日のベストアクトは間違いなくオーガです。

 

サニーデイ・サービス

この日一番楽しみにしていたサニーデイだが、僕の知っているサニーデイとは違いすぎて驚いた。

僕が期待していたのはいつも通りの優しく寄り添うような、ほんの少し特別な日常を歌うサニーデイ・サービスだったのだが、この日の曽我部恵一は鬼気迫るものがあった。

『DANCE TO YOU』『Popcorn Ballads』を聞いてもわかる通り、ここ最近の曽我部恵一には何か鬼気迫るものがある。それがダイレクトにライブパフォーマンスにも現れている印象。歌うというよりも叫ぶ、弾くというよりも掻き鳴らすという表現が正しいような演奏で、ピアノの音なんてバリバリと割れるくらいに大音量。バンドのアンサンブルでいうともはや成り立っていないような音量バランスの演奏はもはや耳障りですらある。『セツナ』なんて原曲とは全く違うイメージの曲になっていて驚いた。

今回のライブは正直全く好みではなかったけれども、それでもあの鬼気迫る曽我部恵一からは目が離せなかった。今後がものすごく気になる

 

CATFISH AND THE BOTTLEMAN

CATFISHチラ見からのxxを目論んでいたのに気付けば前線にいて最後まで目撃してしまった。

王道UKロックの血統である彼らの演奏は若くてパンキッシュでエネルギッシュで実に最高だった。最早ベスト盤かと思うようなセットリストも最高だったし、バンドマン然とした出で立ちが最高にクール。

原曲のクールに澄ました感じも良いが、ライブで見る彼らは完全に別格で、xxを観れなくともフルセットで観たことに後悔なんて1ミリも無い。完全に今後も大好きなバンドの1つである。

 

The xx

CATFISH終わりに早足でグリーンまで移動して聞けたのは4曲ほどだったが、全くもってとんでもない完成度のライブだった。

3年前にホワイトで観た時はなんとも陰気で退屈な印象だったのだが、今回は全くそんな事は感じさせない。『I See You』で見せたポップネスの獲得はしっかりとライブにも反映されていて、ダークでもの哀しい中にも秘められた想いみたいなものがバッチバチにオーディエンスに伝わる演奏。曲間のJamieのDJもキレッキレに冴えていて、正直最高という言葉以外は相応しくないライブだった。

CATFISHをフルで観たことに後悔は無いが、この時間にブッキングした運営を少しだけ憎む。

MCで「See you very soon」って行ってたし来日あるのか?この前来たばっかりだけど。

 

スカート

この日最後のアクトはまさかのインディー三銃士として名高い『スカート』

Gorillazの裏でモノホンゴリラ(Vo 澤部、推定130kg)が演奏するなんてSmashも憎めないヤツである。

『ストーリー』『セブンスター』とライブ定番曲から始まったスカートのライブは、それはそれは素晴らしかった。気合がガツンと乗っていたし、演奏はかっちりキマっていて、「やっぱりスカートって最高だなぁ」と思わせていただきました。新曲も相変わらず綺麗な曲でバッチリ聞き惚れてしまった。

MCで観に来てくれた皆が優勝です!みたいなことを言ってたけど、本当だったなぁ。ヘッドライナー裏の苗場食堂、毎年何かが起こるから最高なのだ。やめられない。

 

フジロックに戻りたい

よもや3000字弱も書いてしまうとは。もっとコンパクトに収めるつもりだったのだが、やはりアクト一つ一つに思い入れがあるもので、どうしても膨らんでしまう。

この調子で二日目、三日目も書いていくのでよろしければご覧ください。

フジロック’17 – 2日目

フジロック’18 – 3日目

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