Now Playing Vol.3 – エモい気持ちになりたい時に。チャットモンチー『耳鳴り』

Now Playing

「こういう時このアルバムクソ響くよ!」を提供するNow Playingの第3弾は皆大好きチャットモンチーの1stアルバム『耳鳴り』

僕は男ですがカラオケでチャットモンチーを歌うことによって生まれるグルーヴには自信があります。

チャットモンチーというバンド

チャットモンチーは共通言語だ。

僕が大学時代に所属していたバンドサークルのやつらは、当然の事ながら人よりも様々な音楽を聞いているわけだが、洋楽インディーが好きなやつがいれば、昭和歌謡が好きなやつもいる。日がな音楽を聞いてるやつもいるが、ほとんど聞かないやつもいる。そんな僕らの最大公約数がチャットモンチーだった。

その友人たちと年末年始で過ごしていると、大体チャットモンチーの完結の話をする。

この度私たちは、2018年の7月をもってチャットモンチーを完結させようと思います。


「解散」ではなく、「完結」。公式発表も読んだがグッときてしまって、悲しいけれどもやっぱり納得してしまった。

一番脂の乗っていた2nd『生命力』は中学の友人たちとガチでハマったし、『告白』なんて高校生の頃何回聞いたか分からない。『Awa Come』の『ここだけの話』と『キャラメルプリン』はチャットモンチーの中でもトップレベルに大好きな曲だ。3人時代最後のアルバムである『YOU MORE』、クミコンが抜けた後の2人時代以降は少し離れてしまったが、それでも新曲が出たら聞いていた。クミコンの脱退はめちゃくちゃ悲しかったし、えっちゃんの結婚&妊娠が発表された時には周りの男子がざわついたものだ。

チャットモンチーというバンドはそれくらい、僕らの青春時代に密接だった。

先日、年の瀬に男3人でカラオケに行った。しょっちゅう一緒に行くもんで、お互いのレパートリーも何となくわかっているのだが、この時初めて『東京ハチミツオーケストラ』を歌った。その瞬間に何らかのスイッチが入った。はたから見れば滑稽でしかないのだが、ものすごい楽しかったし、懐かしさと曲の良さで完全にエモかった。

そして帰り道に聞いていたのはもちろん『耳鳴り』である。

『耳鳴り』

2006年リリースのチャットモンチーの1stアルバム。アルバム全体のムードとしては、『生命力』や『告白』ほど女子女子していないものの、主題はやっぱり恋愛が中心のものが多く、サウンドにしても歌詞にしてもいい意味で若さを感じる。そして全13曲、1曲たりとも捨て曲がない。

彼女たちの始まりの曲『ハナノユメ』、二人ぼっちという言葉を爆誕させた『恋の煙』、剥き出しエモーショナルな失恋ソング『恋愛スピリッツ』などシングル曲の存在感も抜群だし、『ウィークエンドのまぼろし』『どなる、でんわ、どしゃぶり』『一等星になれなかった君へ』『プラズマ』など、他アルバムへ移籍すればすぐさま上位打線を張れるパワーヒッターしかいないのである。

そんな中でもアルバムのオープナー、上京組としてのプレゼンスを最高に出し切った『東京ハチミツオーケストラ』はやはり別格だ。

昔から上京組に対するコンプレックスというか、羨ましさみたいなものを強く持っていた。大学に入って初めて、都会に対する憧れを持って上京してくるやつらと出会って、そのパワーみたいなものに嫉妬した。東京出身の僕らには、くるりの『東京』は絶対に書けないから。

拭いきれない田舎者感、新しい生活に対する不安、都会の冷たさ、希望と憧れ。上京したことのない僕らにでさえヒシヒシと伝わるこの「上京感」。そしてこの曲を1stの1曲目にぶつけているのである。若さからくる全能感や自信、そして上京者としてのガッツや矜持がバッチバチなのである。最高だ。

今や徳島出身アーティストとしても十分すぎるほどに有名になったチャットモンチー。1stから完結のその瞬間まで、どんなに売れてどんなに有名になってどんなに大人になっても、彼女は上京組で、徳島出身のえっちゃんなのだろう。

 

おわりに

何度聞いても紛うことなき名盤。ドライブ中にかければたちまち車内はエモに満ち、男も女も大合唱してしまう。それがチャットモンチーなのである。

 

Now Playing Vol.4 – 初期衝動に浸りたい時。The Pains Of Being Pure At Heartの1stアルバム

Now Playing Vol.2 – ほろ酔い、冬空、帰り道。アナ『FLASH』

 

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