カスタムサラダの難しさについて

カスタムサラダはスポーツだ。

瞬時にその日の具材のラインナップを確認する観察眼、そこから完成形を思い描きながらサラダを組み立てる戦略性、今何種類選んだかをカウントし続ける冷静さ、その日の気分という極めて厄介な不確定要素、そしてそもそも美味しいサラダを作るために必要なの味バランス感覚。

美味しいサラダを即興で作るのにこれだけの能力が必要だなんて誰が思うだろうか。

メイン食材からサラダを組み立てるのか、それともドレッシングから逆算するのか。そのスタイルは人によって千差万別。故に誰にでも使える必勝法など無い。

難しい、難しすぎるぞカスタムサラダ・・・!




カスタムサラダとは

その名の通り「自分でカスタマイズしながらオーダーして作るサラダ」のこと。

構成要素としては以下のものが挙げられる。

  • ベースサラダ
  • 具材
    • メイン具材(チキンやサーモンなどの動物性タンパク質が主にこれ)
    • サブ具材(トマト、玉ねぎなどの野菜から、フルーツ、チーズ、豆腐など多岐にわたる)
  • ドレッシング(店によっては塩やオリーブオイル、ビネガーなどを組み合わせることもできる)

これらを自分の好みで選ぶため組み合わせは無限大。同じものはこの世に二つと存在しないオーダーメイドのサラダを作ることができるのがこのカスタムサラダである。最近では東京にもこの手のサラダ屋さんが多く見受けられ、野菜が不足しがちな現代人のランチの選択肢の一つして地位を獲得しつつある。

 

カスタムサラダの作り方

前述の通り、カスタムサラダには必勝法はない。だが勝ち筋はあるのだ。

孫子曰く、「彼を知り己を知れば百戦危うからず」。カスタムサラダにおいてもこれは間違いではない。

「彼を知る」とはつまり、その日その店のラインナップを知ることである。どんな具材、ドレッシングがあるのかを把握することをおろそかにしていては、美味しいカスタムサラダに辿り着くことなどできない。

そして「己を知る」とは、文字通り、その日の自分の気分を知ることである。ヘルシーなサラダが食べたいのか、ガッツリ系のサラダが食べたいのか、その日その時によって僕らが食べたいものは変化する。それを自分との対話の中で見つけ出すこと。これによって僕らのカスタムサラダはより盤石なものとなる。

例えばチキンが食べたいのであれば、ドレッシングはシーザー系のものがベストだろう。トッピングにはトマトやオニオンなどのシーザーサラダの常連具材達が自然と選ばれるのである。

これがサーモンであれば、ドレッシングはビネガー系のものが良さそうである。ビネガー系のドレッシングにはオリーブがよく合うし、チーズなどを加えても美味しそうである。

こうして言葉にすると簡単そうだが、事はそうシンプルでは無い。

 

固定された具材の数

お店によってまちまちだが、選べる具材の数というのが決められている。

「選べる具材の数」とはすなわち「選ばなければならない具材の数」でもある。

バランス感覚がもっとも大切なカスタムサラダにおいては、ミスマッチな具材が一つでも入っている事は致命傷となる。選ぶ具材の数が多ければ多いほど、そのサラダを完璧に組み立てる難易度は加速度的に上がっていく。

一度何を血迷ったのか、チキンメインのシーザーサラダに向けて組み立てたサラダの中に豆腐を入れてしまい、とても悲しい気持ちになった。人参ドレッシングのサラダにレンコンが思いの外合わなかった時もそれはそれは惨めな気分だったし、アボカド・チーズ・ブロッコリー・ズッキーニ・玉ねぎを選んだ時にはその完成形の色彩の乏しさに涙した。5種類も選ぶ余地がありながら白と緑の2色しか選べない自分にはシンプルに失望だ。

とにかく、もう選びたい具材がないのにあともう1種類選ばなければならないというシチュエーションがポイズン。

 

ドレッシングの味が想像できない

「ニンジン」「レモンタヒニ」「クリーミーシラチャー」etc.

いやお前ら何味やねんっていう。

基本的なドレッシングといえばシーザー、ごま、バルサミコ。だがサラダを食べ続けているとお決まりの味に飽きることも多々ある。新しい味を求めて未だ見ぬドレッシングに挑戦したい時、そのドレッシング達が揃いも揃って未知数すぎるのだ。

なんの事前知識もないまま未知のドレッシングを試す時、一食分のサラダを台無しにする覚悟が必要となる。

 

スマートでありたいと願う心

「欲しい具材を伝える」というコミュニケーションである以上、カスタムサラダをオーダーする際もスマートでありたいという願望は確かに僕の中に存在する。もっと言ってしまえばサラダのプロであるカスタムサラダの店員さんに「こいついいセンスしてんな」くらいに思われたい。

この小さな見栄がカスタムサラダにおいては命取りである。

普通とは違ったサラダにしようと選ぶ『ビーツ』

珍しい野菜もガンガン取り込む姿勢のために選ぶ『カボッコリー』

チャレンジ精神が選ぶ新しいドレッシング『ビネグレット』

これらは全て虚栄心がもたらす災害だ。使いこなせない具材やドレッシングを選ばせる負の感情だ。弱い心だ。

美味しいカスタムサラダを目指す時、僕らは弱い心を断ち切らねばならないし、それでも新しい道を行くのであれば下調べや店員さんとの対話が必要となる。カスタムサラダの前では心を飾ることすら許されない。

 

おわりに

昼間にカスタム失敗してダメサラダを作ってしまったので自戒のために書きました。

 

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